内容説明
ギリシア・ローマ、そしてルネサンス以来の芸術の伝統を遮断し、近代・現代の幕を開いた重要な概念「モデルニテ」(現代性)とは何か。ボードレールによって生命を与えられた「モデルニテ」は、道徳的であると同時に野蛮であり、進歩的であると同時に反動的な様相すら帯びる。それは、たんなる美学的概念にとどまらず、強烈な同時代の主張となり、歴史的な概念ともなった。近代芸術の祖ボードレールの「モデルニテ」を理解するためのもっとも重要な論考「現代生活の画家」「ウージェーヌ・ドラクロワの作品と生涯」「1859年のサロン」他を収録。
目次
美術批評2(1859年のサロン;現代生活の画家;画家たちと腐蝕銅版画家たち;ウージェーヌ・ドラクロワの作品と生涯)
音楽批評(リヒァルト・ヴァーグナーと『タンホイザー』のパリ公演;リヒァルト・ヴァーグナーへの書簡)