内容説明
日本の写真は、嘉永元年(1848)に渡来。長崎の上野俊之丞が導入した。「写る」ことへの驚きとともに、写真は当時の進歩人たちに熱狂的に受け入れられ、江戸から明治への激動の時代の姿と、英雄たちの貴重な記録を写しとめてゆく。福沢諭吉や坂本龍馬ら幕末の志士たち、長崎出島の風景、鎌倉事件の現場など、日本の写真の黎明期である幕末から明治初期までの古写真から、この時代の歴史性、記録性を尊重しつつ約200点を厳選し構成した。
目次
日本の銀板写真
ブラウンの銀板写真
モジャイスキーの銀板写真原板調査
薩摩藩の湿板写真
万延元年遣米使節
第一回遣欧使節
幕府オランダ留学生
第二回遣欧使節
遣露留学生と使節団
パリ万国博覧会と徳川昭武〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
65
幕末の志士(坂本龍馬、勝海舟ら)のような有名なものから、名もなき人々のスナップまで、写真が日本に伝来した最初期の作品が収められている。写真を見ると、時代がぐっと手元に引き寄せられたような気になるから不思議だ。個々の撮影状況や撮影者が不明なものもあり、まだ研究の余地や未発表の写真もあるのだろうと思うとワクワクする。2018/04/01
中年サラリーマン
11
幕末の写真が満載。見てるだけで面白い。撮影してくれた人たちに感謝。2014/10/11
OjohmbonX
7
150年以上前でもかなり高い解像力で非常にクリアーな写真が残されていて、転倒した感覚だけど、時代劇の俳優を今写したみたいだという不思議な気持ちになった。幕末の時点では人生(場合によっては生命)をかけて、撮影・現像技術を習得していて、ほぼ全員がカメラを常時携帯して気軽に撮影している現在と比べると、150年分の技術革新の積み重ねの量に気が遠くなる。遣欧使節団のメンバーの写真、みんなビシッとポーズとってるのに、福沢諭吉だけ妙にだらけたポーズで、さすが1万円札になる人間は違う。2021/11/17
おかめっち
3
写真は1848年に渡来した。 幕末から明治初期の古写真。 幕末の志士たちの写真。 和装、洋装、髷混ざっていて面白い。2023/07/14
tecchan
1
日本に写真技術がもたらされてから約170年。写真は、様々な時代、場所、人物を、記録として残してきた。この本は、写真がもたらされ幕末当時の写真を厳選して掲載しており、時代がよくわかる。2017/06/20