ちくま新書
インフラの呪縛―公共事業はなぜ迷走するのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 284p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480067715
  • NDC分類 510.921
  • Cコード C0251

内容説明

戦後、経済発展のため、道路、ダム、鉄道、橋といったインフラ整備が闇雲に進められた。しかし、バブル崩壊後、その反動で公共事業は利権や腐敗の温床として「悪」と痛罵される。一方で、それらは老朽化し崩壊の危機にあり、早い対処が求められている。なぜ、インフラに関する議論は迷走してきたのか?一体、日本の公共事業はどうあるべきなのか?様々な証言をもとにして、日本の骨格をつくり上げたその歴史を読み解き、問題点を明確にする一冊。

目次

第1章 生死をかけたダムをめぐる攻防(大規模災害が毎年続く呪われた戦後一五年間;内務省の官僚答弁から言質を引き出せ ほか)
第2章 日本を造った道路の運命(東条英機が却下した壮大な道路計画;五〇年までは道路は壊滅状態 ほか)
第3章 鉄道は希望か、悪夢か?(公益性と収益性の狭間で;発進時から人員過剰だった国鉄 ほか)
第4章 公共事業叩きへの反動(なぜ「談合」はまかり通るのか;予算委員会に提出された割り振り表 ほか)
第5章 インフラ危機をチャンスに(住民を混乱させる中間貯蔵施設;分断される地域 ほか)

著者等紹介

山岡淳一郎[ヤマオカジュンイチロウ]
1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。「人と時代」「21世紀の公と私」を共通テーマに近現代史、政治、医療、建築など分野を越えて旺盛に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

6
政府の建設投資額はS50年代には20兆円であった。日米構造協議の場で内需拡大のため10年で430兆円の公共投資をすることが決まった。S62からH16まで政府の建設投資額は20兆円超え(最大はH8ごろの約35兆円)。とちに不良債権化したが、筆者試算では政府の公共投資額の1兆円の増減は、名目GDPの5兆円の増減を招く。H20年代の官民建設投資額はS50年代より低い2017/09/24

coolflat

4
戦後から現在までの公共事業にまつわる国家プロジェクトや政治の動きを検証。1章はダム。主に九頭竜ダム事件について。2章は道路。道路整備五カ年計画のルーツは、満州産業開発五カ年計画を推進した岸信介にある。勿論国土強靭化政策というように、この嗜好性は孫の安倍晋三にも受け継がれている。3章は鉄道。国鉄の分割民営化を行った中曽根は国鉄労組の崩壊=総評の崩壊、つまりは社会党の崩壊に繋がる事を認識してやったと述べている。面白いのは4章。ゼネコン汚職について。戦後、最も早く公共事業利権に手をつけたのは、河野一郎だと言う。2014/07/05

本命@ふまにたす

2
戦後日本における「インフラ」整備の歴史をたどる。政策論的なトピックも盛り込まれてはいるが、それよりもどのように「インフラ」が整備されてきたかをたどることに重点が置かれていた。2021/07/17

北区のまき

1
分厚い新書。元土建屋の田中角栄が治山治水について官僚に噛みつくの面白い。もっとやれ!1950年の水道普及率26%に愕然とする。治水より戦争が優先か、、、 本州四国にかかる橋は工事費が予定より3倍。新幹線は2倍。東京五輪は何倍だったっけな。2022/10/22

jupiter68

1
もっと政治学的な話かと思いきや、ゴシップというか週刊誌レベルの話で進んでいく。2018/06/03

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