ちくま新書
過激派で読む世界地図

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  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480065865
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C0231

内容説明

「過激派」と聞いて、何を思い出すだろうか?ビンラディン率いるアルカーイダ、それとも南米の革命軍?日本では忘れ去られているが、広く世界に目を向ければ、暴力によって社会を変えようとする過激派はまだまだ存在し、影響力を持っている。そこで、本書では、世界の過激派の思想や活動を追うことで、世界の闇に迫る。不法移民、麻薬ネットワーク、原理主義、極右など、いままで描かれなかった新たな世界地図。

目次

第1章 国家からの自由アジア(中国の格差を体現するウイグル―東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)
中央アジアにイスラム国家を、解放党(ヒズプット・タフリール) ほか)
第2章 原理主義の猛威中東(アフガニスタン・パキスタンにまたがる脅威―タリバン;サウジアラビアからイエメンへ―アラビア半島のアルカーイダ ほか)
第3章 暴力大陸アフリカ(世界で最も冷酷、残忍な組織―ウガンダ神の抵抗軍;エチオピアとソマリアの悪夢―オガデン民族解放戦線 ほか)
第4章 多民族ゆえの悲劇ヨーロッパ(ロシアを揺るがす女性たち―黒い未亡人;イギリスからの離脱を目指す―リアルIRA ほか)
第5章 北は右へ、南は左へアメリカ(不幸を願う宗教団体―キリスト教右派;アメリカの価値観に反する「鼻つまみ者」―国家社会主義運動 ほか)

著者等紹介

宮田律[ミヤタオサム]
1955年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。現在は静岡県立大学准教授。専門はイスラム地域研究・国際関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おらひらお

7
2011年初版。日本ではあまり見かけない過激派ですが、世界には数多くの過激派が存在することを紹介した本です。ただ、全世界が対象になっているので、個々の記述がやや簡略化されているのは、仕方がないことかもしれませんね。2013/09/14

きいち

6
家族を虐殺されて立ち上がった母親も、自らの不遇を別の弱者への攻撃に向ける極右も、同じ過激派であるという不条理。<ギャフンと言わせたい>欲望をどう解消して妥協への意思を守るか、難しいけど、夢を抱くことからしか始まらない。まずはこの場所から動こう。2012/06/10

ほーくえーす

4
正直な話、ヨーロッパにも過激派がいるんだとかドバイに危ない金があふれているとか抽象的な記憶しか残っていないが、この本で知ったことは、すべての過激派には活動を行う理由や背景が存在しているということだ。そのやり方が正しい正しくないという話ではなく、このような理由を知らず、イスラム教は悪であるなどと決めつけてしまうのは非常にまずいと思う。物事の本質を見極めることが重要だ。そしてその本質とは人間の本能・欲であることがわかる。もしかしたら自分がいつか過激派になるかもしれないと思った一冊。2011/04/02

可兒

2
著者はイスラームの専門家だが、昨今紙面をにぎわすヨーロッパの過激派なども公平に扱っている。で、要するに過激派で読む世界地図というのは、ほとんど貧困や弾圧の世界地図に等しいのではないかと思う。内容があまりないとこまで含めて2011/08/07

Thinking Dragon

1
今でいえばISIS、昔ならタリバンやアルカイダなどの過激派について世界地図から紐解いた書。基本的に過激派は貧困と結びついている場合の多さたるや、驚きを禁じ得ない。貧困はまた治安の悪さとも結びつく。様々な暴力的、破壊的に行為において人道的な部分で反発心を覚えるが、しかしながら過激派の幹部を除いてそのほとんどの構成員は命を天秤に無理矢理載せられているような環境の人間ばかりなのである。彼らにとってはこれが生存するための方法なのである。暗澹とし、救いようのない気持ちになるが、目を背けてはいけない問題の一つである。2014/09/18

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