ちくま新書
社会をつくる自由―反コミュニティのデモクラシー

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480064752
  • NDC分類 361.7
  • Cコード C0231

出版社内容情報

現代において手応えのある民主主義はまだ可能なのだろうか。<集合住宅>という身近な場から発して、熟議の力を養い、責任ある政治を取り戻すための提言を行う。

内容説明

社会と自由とは相対立し、憂慮される社会の連帯の喪失に自由の進展が手を貸してきたと見られている。この連帯を取り戻そうとするあまり、無責任な「コミュニティ」なる「仲良し」が蔓延し、それによって自由は制約を強いられているが、自由には社会を自らが責任を持って担う面もあるのではないか。この「社会をつくる自由」は、同調圧力に屈しない「反コミュニティのデモクラシー」を契機として現れる。これを出発点に、本書は自らと異なる他者とも社会をつくる方途を鮮やかに描き出そうとする。

目次

序章 「社会をつくる」ということ
第1章 ゲーテッド・コミュニティを哲学する
第2章 反コミュニティのデモクラシー
第3章 責任と正義
補論 建築の敗北
終章 グローバルな社会をつくる

著者等紹介

竹井隆人[タケイタカヒト]
政治学者。博士(学術)。(株)都市ガバナンス研究所代表。立命館大学政策科学部非常勤講師。1968年京都市生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科修了。長らく政府機関にて〈まちづくり〉に関わり、いまは〈まちづくり〉シンクタンクを経営し、京都を中心に活動中。「政治」の原点は〈まち〉にあるとする論評、著作多数。単著に『デモクラシーを〈まちづくり〉から始めよう』『集合住宅と日本人』(ともに、平凡社)など。共著に『排除と包摂の政治学』(木鐸社)など。訳書にベンジャミン・R・バーバー『消費が社会を滅ぼす?!』(吉田書店)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえ

6
良書。やはり読み所は、低所得層ゲーテッドコミュニティの存在の多さと、おそらく大半の学者が住んでいるはずの高級分譲マンションの存在。低所得層コミュニティでいえばかつての九竜やブラジルのファヴェーラもそうである。低所得層コミュニティと分譲マンションに注目した点はなかなか。まあ学者が注目しない点を突っ込む故、身内受けはしなそう「リベラルデモクラシーとは、個人の自由を重視するリベラルと、集団の合意を重んじるデモクラシーという、本来は対立的概念たる双方を折衷したものと考えられる…この折り合いをつけるのは難しい」2015/06/21

msykst

2
スイーツ(笑)的なコミュニティ翼賛のアホさとか、思考停止な批判への危機感とか、実は大枠は共感してたりして。内容より単にキャラが良い。意地悪な監督が撮ったドキュメンタリーに近い。ただ一つ思ったのは、第三の道なり何なりのコミュニティ政策とこの人の私的統治が何が違うのか結局謎。渋谷望なりが批判したのは政策の結果でしょ。まー無数にあるツッコミ所はどうでもいい。それより草の根保守を批判した数年後にプレカリアートとかやっちまった左翼が、この本にきちんと答えられるのかは見物。なぜこの本が生まれたのか考えるとオモロー。2009/03/29

Yuki_N

0
空気に流されずに、責任を伴う社会への帰属意識を持つにはどうしたらいいのかをゲートで仕切られた空間の自治に求める。政治や人間そのものに関しての突き放した目線を持っていることは重要だと思う。ゲーテッドコミュニティについての議論を読むために手に取ったが、たしかに多少議論が粗削りな感じがしたのは新書として筆者が書いているからなのかもしれない。2016/07/09

ぎりのすけ

0
論理が荒削りで「おっとそこで飛躍しちゃう?!」という感じがままあった。主張の全てが正しいと思わないものの、言いたいことはごもっともという印象。そういう自分もmixiやらfacebookで群れたがっている訳ですが。★★★2011/09/17

kakaka@灯れ松明の火

0
私にはハードルが高かった・・・個々のエピソードはわかるものの、その先がなかなか入ってこないという・・・何となくぼや~としたものはあるので、時間をおいて再読してみようかと思います。2009/09/20

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