内容説明
樋口一葉は『通俗書簡文』という手紙の書き方の実用書を書いた。病の床での執筆で、生前に刊行された唯一の本である。年始の文、歌留多会のあした遺失物をかえしやる文、猫の子をもらいにやる文、離縁を乞わんという人に、などなど掌編小説さながらのストーリーが展開する“手紙文例集”を森まゆみが味わい深く読み解く。手紙を楽しみたい人、必読の書。
目次
新年の部
春の部
夏の部
秋の部
冬の部
雑の部
唯いささか
著者等紹介
森まゆみ[モリマユミ]
東京都文京区動坂に生まれる。早稲田大学政経学部卒業。1984年地域雑誌「谷中・根津・千駄木」(愛称「谷根千」)を創刊。現在、「谷根千」の仕事を続けながら、環境保全の活動や幅広い執筆を精力的にこなし、『鴎外の坂』で1997年度芸術選奨文部大臣新人賞受賞
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