ちくま文庫<br> 猟奇文学館〈1〉監禁淫楽

ちくま文庫
猟奇文学館〈1〉監禁淫楽

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 334p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480036117
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

あなたには監禁したいほど恋しい人がいますか?だれかに監禁されたいと思ったことはありませんか?谷崎潤一郎から、皆川博子、赤江瀑、小池真理子、篠田節子まで、めくるめく耽美幻想と恐怖、異端の快楽と陶酔を鮮烈に描き出した監禁サイコホラーの傑作8篇を収録。毒にまみれた各篇から、いつしか崇高な輝きがあふれこぼれ、切ないほどに一途な純愛の像がうかび上がってくる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kouro-hou

14
猟奇なテーマで集めたアンソロジー全3巻。1巻のテーマは監禁である。実はそんなにエロくない。むしろ一番エロイのが本のタイトル。どちらかというと監禁に絡むサイコホラー的作品が多め。直接的な監禁モノから精神的な監禁モノ、また檻そのものがテーマだったりと単調でないよう工夫された構成になっている。 宇能先生は本職なんでエロですが、あっという間に変態方面の彼方まで突き抜けてしまうので返ってエロく感じません。ある意味がっかりで爽快?なラストも良い。谷崎先生の「天鵞絨の夢」は幻想系で素直に素敵。2014/03/04

しんすけ

10
ときおり人間は社会に監禁されているのでないかと想う。 自分が生きたいように生きていくことは不可能に近く、生きたいように生きるということも漠然としていて不安さえ生じてくる。芥川龍之介は、その不安に耐え切れず自殺したのでなかったか。『失われた時を求めて』の第5巻「囚われの女」を読んでいるとアルベルチーヌも私も精神的な監禁状態にあるとしか思えなかった。身の自由は保障されていても精神的に監禁状態に陥ることはあり得る。「囚われの女」読了後この思いは強くなり10年ほど前に購入した本書をまた読みたくなってしまった。 2019/04/21

blue_elephant

7
皆川博子氏「朱の檻」で始まる監禁をテーマにした短編集。初めて読む宇能鴻一郎氏の「ズロース挽歌」式貴士氏の「おれの人形」好対照を成す2篇が絶品といえば絶品だが胸焼けした。皆川博子氏の作品は、なんというかエロティックで気品がある。赤江瀑氏の「女形の橋」も覗かれる立場の2人がそこはかとなく淫靡でもあり。谷崎潤一郎氏の「天鵞絨の夢」は、こんなにも日本語は美しいのかと気づかされる。めくるめく耽美。2020/12/30

unknown

7
「ズロース挽歌(宇能鴻一郎)」「おれの人形(式貴士)」の二編が激烈な印象で迫る。前者は、ズロースへの異様な執着を抱く男が女学生を監禁、その後短い同棲生活を送るまでを告白した話。匂いたつ濃厚な情念に、どこか哀愁も入り混じっている。後者は、触れたものを石化させる能力を持った男が女学生を監禁し、両手足を石化&破壊しトルソーにしてしまう話。あまりに稚拙過ぎるプロットが、男が一方的にぶつける変態的欲望と容赦ない狂気に拍車をかけており、嫌悪を越えて恐怖をおぼえる。共に実際の事件をモチーフにしていながら、対照的な二編。2012/08/27

💓

6
最近好きなアイドルが監禁されているMVを見たのでそこから連想して読みました。女形、三代澤村田之助の生き様が気になるので皆川博子の花闇も読んでみます。女形が好きなので赤江爆の「女形の橋」も良かった、粋で。監禁したいと思ったことはないけど自分が選んだ人にならされたい(家制度的な意味で)はあるな〜と思いました。狭い世界に真理と充足を得る感覚はそこにおいて深く理解出来ました。2023/03/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/558683
  • ご注意事項