ちくま文庫<br> 明治十手架〈上〉―山田風太郎明治小説全集〈13〉

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ちくま文庫
明治十手架〈上〉―山田風太郎明治小説全集〈13〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 456p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480033536
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

石川島という大牢獄島。そこでの地獄模様を目の当たりにした元八丁堀与力の原胤昭は、美しいクリスチャンの姉妹に影響され、出獄人保護の仕事をはじめた。その前に立ちはだかる残酷無比な看守と巡査たち。岸田吟香、小林清親、星亨、ドクトル・ヘボンらも登場し繰り広げられる大ロマンの決定版。

著者等紹介

山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
大正11(1922)年、兵庫県養父郡関宮町の医家に生れる。昭和24年、「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で第二回探偵作家クラブ賞を受賞。その後「甲賀忍法帖」を初めとする“風太郎忍法”を生みだし、忍法ブームをまきおこす。平成13(2001)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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geshi

22
明治初期を舞台にした因果の物語が山風お得意の悪VS悪の戦いへと行きつく。実在の人物を登場させながら、いまだに江戸を引きずっている空気を漂わせる文章のうまさは、流石の一言。ほんのちょい役でも人物像を見せるキャラクター描写がされていて、山風を読む楽しさがいっぱい。出獄人たちが自らの悪の本性から逃れられず、それでも聖者のために己の全てをなげうつ熱さ。エピソード一つ一つは面白いんだけど、血戦へなだれ込むまでの前フリとしてはスロースタートに感じるのも事実。2019/03/02

きょちょ

15
維新前後の各藩の悲劇が、登場人物それぞれの人格形成に大きく影響を及ぼしている。5人の巡査・看守と悪党5人が結束して、主人公原胤昭やその周辺人物を脅かすあたりから、物語は面白くなる。風太郎の明治小説をずっと読んでいくと、基本的に風太郎は維新や維新後の政府高官を否定的に捉えていることがわかる。もっと言えば、維新が無ければ日清・日露戦争も、そして太平洋戦争も起こらなかったのではないか、という事を暗に読者に語っているようにも感じる。★★★★2015/10/26

キムチ27

10
教誨師原胤昭が若い頃を述懐する形で展開する物語。 5人の犯罪者が権力と対峙する因縁めいた場面を面白おかしく描いている。例の如く、ひょんなところに歴史の著名人がぬらりと登場するのご愛嬌。 原が奉行所時代に世話になった方の娘姉妹と出獄世話所を開く羽目になって・・ 十手と十字架、両極端の意味をもつものが合体した両鉤十手。 その物体に物語の・・原の社会を足蹴りにする想いが込められている感じがする。 でてくる人間の名前が凄い・・ぬらりひょん、サルマタ、化師、邯鄲・・山風先生の筆が遊びまわっているようで。2013/09/09

河内 タッキー

5
不幸というのは不可抗力的に向こうからやってくる。誰しも不幸なんて嫌で、それを避けるために最大限の努力をして人生を乗り切って行こうとしているのに、全く頼みもしないのに、寧ろ避けたいのに想像外の不幸が向こうから勝手にやってくる。そんな人生の不条理感を思わせる。下巻でどう挽回してくれるのか。2015/04/12

やまほら

3
山田風太郎の明治小説らしい本ではあるのですが、ちょっと読み進めるのに時間がかかった。「早く続きを読みたい!」って感じにならなかったんだよなあ。下巻に続く。2019/02/18

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