ちくま文庫<br> 明治断頭台―山田風太郎明治小説全集〈7〉

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ちくま文庫
明治断頭台―山田風太郎明治小説全集〈7〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 441p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480033475
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

太政官弾正台(役人の汚職を調べ糾弾する役所)の大巡察、香月経四郎と川路利良がフランス人美女エスメラルダの力を借りて次々とおこる謎の事件を解明する。明治開化期の社会と新政府を題材にした探偵小説の傑作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒダン

23
今年の一冊会本。制度を記述するところから始めたり、ちょい役で多くの歴史上の人物お登場させたり時代物を意識しているが、本格推理小説というのが真の姿。役人を取り締まる弾正台という役人の二人が明治になったばかりの物騒な東京で起こる事件に五人の邏卒を使い走って挑む。舞台を整える最初の章と収束の最後の章以外は短編のようにその章の中で事件が起こり解決される。それぞれのトリックは明治という時代を活かしており巧妙かつ入り組んでいる。そしてもちろん筋は通っているが収束は意外性があって驚いた。これは紛れもなく傑作。2015/12/24

とも

22
★★★★明治創生期の警察庁設立前、わずかな期間存在した弾正台。その期間で大巡察として活躍する香月経四朗と川路利良が事件を解決する8作の短編の連作短編集。前半は、テンポも悪くてどちらかというと読みずらい。が、ストーリーを通して読み切った時に、その理由がはっきりするとともに、時代考証と引きも切らない歴史的有名人登場に飽きはない。2019/11/03

usarlock

18
明治2年を舞台に大巡察の川路利良と香月経四郎が殺人事件を解決する連作短編集。解説で日下氏がこの作品をべた褒めしているが、なる程ね。不可能犯罪にバラバラ死体と一つ一つのトリックも面白いが、最後の展開がすごい。ただ読むのにかなり時間がかかってしまい、特にエスメラルダの台詞が全てカタカナなのがきつかった。作中には、事件を捜査する川路をはじめ歴史上の人物が多く登場するので歴史好きの方は楽しく読めそうです。2014/06/17

ヨーイチ

17
ちくま文庫の山田風太郎明治小説全集。前の仕事を退職と言うより馘になった時に雀の涙の退職金で全巻を大人買い、いやヤケ買いした分。読書メーター開始前だったので登録のみだったが、風太郎の大作はコメントを残して置くべきと思い一言記す。明治初期鉄道もない頃、人力車の出始め。登場する有名人川路利良、岸田吟香、ヘボン、お伝、お絹、内村鑑三、沢村田之助等々。警察の前に弾正台って組織が置かれた。明治の初期はまだ、国のデザインが五里夢中だっのが伺える。水干姿の官員とか邏卒の呼称が素敵。金髪碧眼の巫女が神おろしって面白すぎ。

きょちょ

16
数ある風太郎の明治小説の中でも、これは特別な「推理小説」である。また、彼の得意とする同パターン連作短編でもあるが、全く飽きさせない。フランス人の巫女と5人の邏卒の神楽団という発想は実にユニーク。それぞれの短編の犯人は予想がつくものの、最後にアッと驚かされる結末が待っている。そして驚きとともに、やはり感動させてくれるところは、さすがとしか言いようがない。 南伸坊の表紙の絵も毎巻すばらしい。 ★★★★★2015/05/28

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