１０００人の患者を看取った医師が実践している傾聴力

大津 秀一【著】

大和書房（2013/07発売）

• サイズ B6判／ページ数 255p／高さ 19cm
• 商品コード 9784479794028
• NDC分類 490.14
• Cコード C0095

内容説明

大切な人の悩み相談に真剣にこたえている、自分なりに一生懸命アドバイスもしている。なのに、相手が元気にならない…。そんな経験があるあなたへ。相手が元気になる本当の「聴き方」、教えます。

目次

序章　「聞くこと」と「聴くこと」
第１章　「聴く」ために必要な「心の持ち方」
第２章　「生」と「死」をどう捉えるか
第３章　「聴く」ための技術
第４章　傾聴にまつわる悩み
終章　物語の力を知る

著者等紹介

大津秀一［オオツシュウイチ］
１９７６年生まれ。茨城県出身。岐阜大学医学部卒業。緩和医療医。日本緩和医療学会緩和医療専門医、がん治療認定医、日本消化器病学会専門医、日本内科学会認定内科医、日本尊厳死協会リビングウイル（ＬＷ）受容協力医師、２００６年度笹川医学医療研究財団（現・笹川記念保健協力財団）ホスピス緩和ケアドクター養成コース修了。内科専門研修後、日本最年少のホスピス医（当時）として京都市左京区の日本バプテスト病院ホスピスに勤務したのち、２００８年より東京都世田谷区の入院設備のある往診クリニック（在宅療養支援診療所）に勤務し、入院・在宅（往診）双方でがん患者・非がん患者を問わない終末期医療・緩和医療を実践。２０１０年から東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンターに所属し、緩和ケアセンター長として緩和ケアチームを運営している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[まーちゃん]

もしもっと早くこの本に出会っていたならば。私は僅かでも父の力になれただろうか？父の苦しみ、孤独、絶望を少しでも軽くしてあげられただろうか？/現実の世界に「if」はあり得ない。私がこの本を手に取ったのは、悔い多き父の死があったから。残念ながら私は、この本で得た気付きを父のために役立てることは出来ない。でも、だからこそ。いつかこの本に書かれた技と心を、私の大切な人たちのために役立てたい。そう願う。

2014/08/11

[こなつ]

傾聴することは医療の現場だけでなく日々の生活にも随分と役に立つことがわかった。傾聴するにあたって、姿勢や技術など身につけておいたらお話を相手がしてくださることが多くなる場合もあり有用なのだとよくわかった。沈黙も傾聴の一つ。言葉が出なくて沈黙になるというのも、軽はずみな言葉を発してしまい悪影響になるより、重みを受け止める意味でもおおいに役に立つ。何より非言語が傾聴には効果的であることは本書を読んで一番勉強になった。

2018/05/11

[カレー好き]

皆様のおススメ本から。緩和ケア医が患者にどう向き合うか、聞くではなく聴くことの大切さが書かれています。医療従事者のみならず、人に接する際の寄り添い方が書かれてます。具体的会話例と解説が分かりやすい。

2024/03/10

[caramel]

悩んでいる人を支えたいと思っている人に適している本。「聴く」ための技術についても書かれている。苦しみとは、どういうものがあるのかを知ることによって、苦悩者の苦しみの構造を知る事ができる。「なぜ、生きてるのか？」等のスピリチュアルペイン（存在の揺らぎの苦しみ）の訴えを見逃さないことが重要である。苦悩者の苦しみを知り、背景を知ることで、苦悩者が生命の質を改善する物語を紡ぎ出す支えになれる。苦悩者の苦悩は本人にしかわからないが、時間をかけて寄り添う「聴く」ことを大事にしたい。言葉に詰まる沈黙も金なのである。→続

2014/02/13

[nori_y]

うつの人と接する中で、何かヒントにならないかと手に取った。終末期の患者ではないが、「何で生きるのか」「死にたい」「生きていても仕方ない」等、数々の答えに窮するネガティブな問いにどう対応すれば良いのか、本書は一つの知識になり得る。中でも、とある末期がんの方の言葉が、胸を突いた。「病気が治らなくても、私を救うことは出来るんです。私を薬が救えなくても、私を心が救うことは出来るんです。私を、私が、救うことは出来るんです。」どうか皆さんの支えたい人も救われて欲しいと、心から願います。

2016/04/05