内容説明
本書の1章と2章では、今日の大学大衆化のもとで、入学者選抜がどのような問題を抱えているのかを検討している。つぎの3章では、近年の高校教育改革に注目して、それが大学教育にどのような影響を及ぼしうるのかを考察した。続く4章では、そのようにして入学してくる新入生を大学がいかに受け入れるかについて、教育改革との関連で検討している。5章では、近年のカリキュラム改革の動向をまとめるとともに、ケーススタディとして京都大学、東京大学の二つを取り上げ、総合大学における「教養(部)」教育改革について検討した。つづく6章では、大学改革における教育の「質」の問題について考察した。7章では、大学における教育改善を支援するシステムについて、とりわけアメリカの事例をもとに検討し、8章では、大学院での教育・研究指導についての論考を納めた。そして、終章では、日本の大学がどこに向かおうとしているのか、日本の大学の「迷走」についての考察をのせた。
目次
1章 「やさしい時代」の大学教育
2章 大衆化時代の大学入試
3章 変化する高校教育と大学
4章 新入生を迎える―オリエンテーションと大学改革
5章 カリキュラム改革の動き
6章 授業の質・学習の質
7章 教育改善のサポートシステム
8章 大学院「教育」の日米比較
終章 大学の迷走―「学問」なき大学と教育改革