内容説明
バウムテストは、使い方によっては単なる心理テストを超えて、治療関係の醸成を促進し、新たなコミュニケーションの回路を開き、治療実践そのものを深めてくれるという側面がある。本書では主に、そのような、治療的媒体としてのバウムテストに焦点を当てた。治療的実践論を皮切りに、研究における問題点からバウムテストの実際、さらには新たな展開の可能性をも視野に入れ、幅広い観点から論じている。
目次
第1部 バウムテストのエッセンス(バウムの治療実践論;バウムテストの根っこを探る―秘密は木の根に隠されている;バウムテスト研究の可能性)
第2部 バウムテストの実践(面接前に描かれるバウムテストの意味;手足のしびれを訴える女子大学生との面接過程―「私」ならざる「私」との出会い;クリニックにおける心理療法とバウムテスト―不登校中学2年女子生徒の心理療法過程から;終末期がん患者のバウム;家庭裁判所において出会うバウム;子どもの精神医学的診察におけるバウムテストのこころみ;不登校児の母親面接の中で描かれたバウムの変化)
第3部 バウムテストの展開(急性期病棟におけるバウムというコミュニケーション;動作訓練の経過とともにみるバウム画;クライエントの元型的状況を知る手立てとしての「想像の木」法;バウムテストと洞窟壁画)
著者等紹介
岸本寛史[キシモトノリフミ]
1991年京都大学医学部卒業。2004年富山大学保健管理センター助教授。現在、京都大学医学部附属病院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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