感想・レビュー
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ぶんこ
3
江戸幕府末期の、日本海軍の創設にたずさわった武士達の話です。威臨丸での太平洋横断の話を読むと、世間に広く知れ渡っていた勝海舟と、福沢諭吉の、知られざる一面が書かれていました。計9人の世話を艦長の勝海舟がブルックスという現地の貿易商に託し、充分な金も置いていったとなっていますが、こちらでは木村摂津守が私財を投じたとなっています。福沢諭吉と勝海舟が仲が悪かったというのも、この時の航海が原因と思われます。勝海舟と威臨丸は、セットで偉業をたたえられていますが、勝はあまり艦長としては役に立っていなかったようです。