内容説明
撮影に訪れた廃墟の島で、カメラマンの伊原木は一人の男と出会う。周囲の景色に無理なく馴染む様子に、伊原木は理想の“廃墟の精”を見出した。その彼と町中で再会する。妖精の正体は三島要、妻に離婚され会社からも不当解雇され、人生を捨てかけている元エリートサラリーマンだった。行き場のない三島を伊木原が連れ帰り共に暮らすうち、自由な伊原木に影響を受け三島も変わり始める―。年下攻ストレンジ・ラブ。
著者等紹介
渡海奈穂[ワタルミナホ]
3月16日生まれ。埼玉県出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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諏訪 聖
4
タイトル末尾の☆マークがちょっと不自然な気もしますが楽しく読めました。きっとこの2人の根底は似てるんだろう。ソウルメイトというかそんな感じ。「伴茶無」のマスターや常連さんなど周りの人がいい味出してる。渡海さんのお話しってメインカップルを囲む人のよさが心地いいから好き。銭湯行ってマッサージチェアにかかりながらコーヒー牛乳って至福だと思う。読んでて幸せだった。2013/04/20
新人@さぁーこ
4
なんじゃこれ??のタイトルなんだけど、お話はとっても可愛い☆カメラマン×リストラされた元エリートリーマン。年下攻めのおっさん受け。廃墟オタクな攻め・一保が廃墟で出会った妖精・・それが受けである要。妖精なんて一保はつぶやいてるけど、中身は離婚&リストラで自暴自棄になってる偉そうなおっさん。それがなにくれと世話をやかれ、自分の生き方を見つめなおすにつれて、可愛く見えてきちゃうんだなぁ。描き下ろしになるともぅツンデレぶりにキュンキュン。要が意外とエリートなんだって発見と、素直になれない二人が本当に可愛い☆2013/01/21
アガサ
3
撮影に訪れた廃墟の島でカメラマンの伊原木は一人の男と出会う。その後、町中で男・三島要と再会する。三島は妻に離婚され会社からも不当解雇され人生を捨てかけていたが、伊原木にひろわれ・・廃墟おたくの伊原木と暮らすうちに三島もかわりはじめ・・依田さんのイラストが大好きです。廃墟なんだけど、ほんわかした雰囲気は挿絵のおかげかな~2011/10/09
わか
3
※渡海さんの話ってなんかちょっと変わっててでも読みやすくて好きだなあ。と買い進むうちに結構たくさん読んでたなあ。今回は廃墟オタクと人生に疲れて廃墟好きに気づいた二人の話。最後まで廃墟のよさはわかりませんでしたが周りのたくさんのオタクキャラ含めいいお話でした。2011/09/18
スピカ
3
なんだか不思議な雰囲気のお話だった〜。分かる人だけに分かる、地味だけど良い映画みたいなシュールなスケールが心地良い。社会や人間関係からはみ出してしまった人々…仕事も家庭も、何もかも失った三島自身が心に廃墟を抱えてる。そんな三島に、廃墟をこよなく愛する井原木が惹かれるのも納得しちゃうんだよね!恋の芽生える前半もさることながら、後半は本当に夢のような遊び心ある世界観。下宿の描写なんてちょっと憧れる!三島の変化も素敵だったなwラブよりも人としての弱い部分を感じさせられるお話、でもすごく良かったわ〜満足◎2011/02/28