内容説明
さあ街を行こう、不動産撮影士ジュリアス・クニップルとともに―「スープ用ナッツ研究所」や「市立下剤園」が肩を並べる道をそぞろ歩こう。「電話ボックスの匂い、1961年頃」をクニップルと一緒に嗅ごう。「アメリカで一番長く借り手のつかない店舗」ガイドツアーに参加しよう。「墓掘り選手権」観戦もよし、また今日も一日無駄にしたと思ったら地元の「無駄にした青春センター」に立ち寄るもよし…クニップル氏の摩訶不思議な町へようこそ。
目次
オーナメンタル・アベニュー
オーシャン・フロア・インダストリーズ
ド・ルオン毛布
ハイメン・プラザ
高速道路技術者
付け合わせ野菜
衛生道楽者
髪ならし人
贈答品の衣類
月刊引越屋〔ほか〕
著者等紹介
カッチャー,ベン[カッチャー,ベン][Katchor,Ben]
1951年ブルックリン生まれ。新聞漫画『ジュリアス・クニップル』シリーズは、「NYブレス」など全米10誌ほどに連載され、カルト的人気を誇る。生まれも育ちもニューヨーク
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年東京生まれ。東大教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mejiro
11
先ず絵に惹かれた。中身も怪しい魅力に満ちている。現実では成り立たない変な職業や商売、変わった人たちの日常が覗ける。コミックにしかできない文章も癖になる。 この街を創造した著者はすばらしい。読んで眺めて楽しいコミック。訳者あとがきも素敵。2017/02/18
芍薬
11
シュール!!めくってもめくっても真面目に変なこと言ってるおじ様ばかり。「骨董事務用品」のブラックユーモアには思わずニヤリとしてしまいました。2013/01/05
こうすけ
9
NYオルタナティブコミックの名作と聞いて買ったものの、15ページ読んで挫折したまま放置していた今作。外出自粛で再挑戦。 途中までは眠くてしょうがなかったが、半分越えるあたりから妙にクセになってきて、はまり出す。不思議。変な商売がたくさん出てきて、資本主義の末期を見ているよう。変人たちが味わい深く、面白い。スパイク・ジョーンズやミシェル・ゴンドリーの世界観。2020/05/04
印度 洋一郎
3
主人公のオッさんが街をブラブラしながらヘンな人々と会うシュールな漫画。とにかく、全編ちょっとヘンな人しか出てこないのが、ある意味圧巻。観光地化した空き店舗、墓掘りコンテストに燃える兄弟、普通の街の臭いを再現する「日常性香水」を売る会社、使われなくなった事務用品の骨董屋などなど、オチがわかるものもあれば、よくわからないものもある。笑いの感覚は都会的ないしいひさいちという感じ。でも、アメリカの戦後風俗の知識があると、もっと楽しいのだろう。2010/12/15
kamachirui2
2
読了。柴田元幸の「代表質問」より。1コマ1コマの情報量が(無駄に)多い上よくわからないのも結構あるので、通読には少々適さない気がするけど、家に一冊置いておきたい(かもしれない)。あとがきにはエドワードゴーリーの名前が出てくるけど、読みながら連想したのはどちらかというとバリーユアグロー。ああ、全部柴田元幸だ(笑)2014/10/04