内容説明
呑んでも呑まれるなとは言うけれど、呑むにまかせる夜もある。時に後悔の朝を迎えても、それでもやっぱり酒が好き…凝った心をときほぐす、呑まずに酔える傑作時代小説!
著者等紹介
中島要[ナカジマカナメ]
早稲田大学卒業。2008年、「素見」で小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』と、受賞作を含む短編集『ひやかし』が好評を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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初美マリン
99
酒にまつわる短編集、こうなるかなというものと、いつも一捻りしている作者です。酒の失敗だけでなくほっこりする時代小説でした2018/11/04
ねむねむあくび♪
61
図書館の本。読友さんのレビューから。落語のようなリズム感の各話、との紹介には納得 。ひとつひとつの話が皆、展開が小気味良く味わいがある。下戸の私ですが、若旦那と一緒に上質の日本酒を味わってみたくなる。楽しい読書の時間をいただきました。2018/06/30
真理そら
57
酒屋「七福」のお狐様顔の若旦那・幹之助が酒で失敗したり失敗しそうな人の相談に乗ってくれる話が中心になった連作短編集。2020/05/20
舟江
38
舞台は江戸、酒にまつわる人情話。酒が飲めなくなったら、生きていく価値を見いだせなくなるだろう小生には、本当に面白かった。酒好きの年輩の方にお勧め。2018/01/05
カノコ
37
あの失態も、あの失言も、ぜんぶ、ぜんぶ酒が悪い!じゃあ酒をやめればいいって?それができてりゃ苦労しない。そんなわたしにぴったりの、酒に関する悩みに関する連作短編集。酒をやめたい小町娘、酔って失くした記憶を取り戻したい職人、飲んで口をついて出た嘘に悩む女店主。誰もが「酒にだらしない」はずなのに、それを描く筆に愛がある。ちっとも説教くさくなく、酒と酔っぱらいに対する慈愛に満ちている。「極楽の味」「身から出たサゲ」が優しくて好き。中島要の紡ぐ人情は、いつも温かい。ただ、下戸の人が読んだらどう思うのか気になる。2018/11/19