内容説明
名手阿刀田高氏が激賞、伊藤博文、木戸孝允夫人、そして妻政子…。7人の関係者が語る晋作の真相。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
108
竹田真砂子の、歴史もの、歌舞伎ものは面白い。東京・神楽坂出身、時代を捉える目が幼いころから身についているのでは? 高杉晋作の奔放な生き方を支えた妻・政子の存在がいじらしく感じられる。2018/12/10
真理そら
23
政子贔屓という作者が7人(高杉本人も含む)の視点から高杉晋作を語るという構成。幾松と伊藤博文の章がおもしろい、こういう俗っぽい視点からの維新のお話をもっと読んでみたいという気分になった。政子夫人は家柄も良く評判の美人だったから高杉にとっては大事な妻だったと思う。が、うのに対するような、この女は自分なしでは生きていけないんじゃなかろうかというような気持ちは持てなかったんだろう。とにかくこんな古い本もしっかり備えてある図書館に感謝です。2018/10/31
星落秋風五丈原
9
三味線を持ち逃避行の間に気散じに作った端唄。 「三千世界の烏を殺し 主と朝寝がしてみたい」 これが高杉が亡くなったあとも政子はよく覚えていて今度会うことができたなら高杉に歌ってみせたいと語る。主は高杉にとって政子であったのだろうか2004/02/11
まつ
4
高杉晋作と関わりのある七人の人物が語る形で話が進んでいく本作。女性の作家が書いた高杉晋作の小説は初めて読んだが、色々と新鮮だった。まず、本書では一度も「気魄」という言葉が出てこなかった。等身大の晋作を描くためか。また、七人のうち、野村望東尼、うの、木戸孝允夫人松子、そして晋作の妻政子と、四人の女性が語るが、それぞれの気質がとても違っていて、読み比べるのが面白かった。プライドの高い松子と、控えめな政子など。いつも高杉晋作を中心に読んでいたが、次からはまわりの人物の心情や思惑ももっと読み取ろうと思った。2019/10/21
新天地
4
図書館よりリサイクル図書としてもらう。 登場人物の視点によってここまで人物評が違うのか!?というところが非常に面白かった。特に幾松の性格ってこんなに悪かったのか。それと伊藤博文の章も噴き出す面白さ。2013/11/19