出版社内容情報
難解なシェーンベルクの語法をグールドは強い説得力をもって解き明かす。両者の芸術的営為の地平とグールド特有のレコーディング哲学を現代思想の視座において論じた意欲作。
内容説明
バッハ、シェーンベルク、グールドを貫く対位法思考の営みが到達した地点とはいったい何だったのか。沈黙を弾き、沈黙を聴く方法としての対位法を究めたピアニスト―そのようにして、彼はひたすら“非実体的実体”としての音楽に耳を澄ましつづけた。“作曲・演奏・聴取”の既成のパラダイムを根本から問い直し、音楽行為の本質を現代思想の視座から読み解く試み。
目次
プロローグ
美しい音楽
BGMの魂
モーゼとアロン
アキレスとカメ
エピローグ―反復、かけがえのないものへ
著者等紹介
渡仲幸利[トナカユキトシ]
1964年、静岡県生まれ。慶応義塾大学文学部卒業(フランス文学専攻)。ベルクソン研究、音楽評論
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