学校を災害が襲うとき―教師たちの3・11

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  • サイズ B6判/ページ数 274p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393333198
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0036

出版社内容情報

それは6時間目だった。早朝に起きた阪神では経験されなかった学校現場での災害。そのとき“先生”だった10人のノンフィクション。

内容説明

卒業式を控えた6時間目、多くの子どもたちが教室にいた。10人の教師の詳細な聞き書きにもとづく、震災当日から学校再開までの日々。東北発、全国の教育関係者におくる“災害エスノグラフィー”。

目次

第1章 それは6時間目だった(午後の教室;とっさの判断 ほか)
第2章 津波襲来(C小学校の場合;D小学校の場合 ほか)
第3章 夜明け―2週間後まで(最初の夜明け;安否確認 ほか)
第4章 その後の苦闘―学校再開(学校と社会に向かう子どもたち;うったえる心と身体 ほか)
第5章 過去と未来の間で(日々のはじまり;忘れること、思いを寄せること)

著者等紹介

田端健人[タバタタケト]
1967年生まれ、宮城教育大学教育学部准教授。学校教育をフィールドとした質的研究に取り組む一方、学部での教員養成や現職教員向けの講習や実践現場と協同した授業研究に携わる。2011年3月東日本大震災後、宮城教育大学による教育復興のプロジェクトにも参画、2011年7月から2012年1月にかけてインタビュー調査「教師たちの3.11―東日本大震災・学校現場の記憶」を行う。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(博士号取得)。専攻:教育学、教育実践研究、現象学、存在論(子どもの言葉、表現、身体運動、遊びの研究)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

4
A小学校の及川校長のリーダーシップが気になった。小学校名が某なので、さらに気になったのは言うまでもない。マキャヴェリの力量(ヴィルトゥ 39ページ)。理屈を超えた洞察。土俵際に追い込まれた際の、活力や意志力で、火事場の糞力か。J中学校の江口教諭は、幼い頃の思い出が、写真やいろいろな場所に刻み込まれ、宿り、安らっていると回顧している(209ページ)。どんな人の人生もそうであるに違いない。それにしても、校庭に逃げるのか、山へ逃げるのか、子供の方が正しい判断をしていた場合もあり、大人の方が判断ミスは否めないか。2013/01/29

たけちゃん

2
先生は色々大変だよな。自分の家族も被災したいるのにね。2016/04/08

rigmarole

1
印象度B-。被災した学校の状況を教師たちの証言等を基に記録したものとしては貴重な本です。本書のメッセージを一言で言えば、「教師や生徒はしっかりしている」でしょう。哲学的解釈を加えた試みも面白いのですが、各事例に対して、分析というよりは、哲学の概念を取って付けたように当てはめただけに思われて、悪い言い方をすれば衒学臭さを感じます。研究調査としては、著者の主観的見解や感情が入り過ぎの嫌いがあり、ノンフィクション文学としては、各証言の後の同語反復に近い解説と感情を移入した感想が蛇足で野暮ったいという印象です。2013/07/19

peisaku2014

0
3・11は平日昼間に発生した。そのため,多くの教師が子どもたちや親,地域住民という被災者に対する非常に難しい対応に追われた。本書は教師の語りから再構成したその克明な記録である。その語りは非常に生々しく,その対応・判断がいかに難しく,生死の境目がいかにギリギリであったかをうかがわせる。印象に残ったのは子どもたちの力強いエピソード。子どもたちの生きざまが,教師にも活力を与えたに違いない。子どもの「心のケア」の必要性を叫ぶよりも,活躍の場を与え,日常を取り戻させてあげるほうが大事な気がしてくる。2014/03/22

まぐらかぐら@一関

0
ただのインタビューではなく、作者の災害研究の見地からのコメントが非常に興味深い一冊。一気に読んでしまいました。2013/03/16

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