内容説明
コンピュータ機能を持った工作機械の登場は工場現場の『M・E革命』といわれ、そのころ出現した産業用ロボットとの組み合わせによって、工場の無人化が急速に進むだろうと予想された。経験にもとづいた技術技能、熟練をよりどころにした労働集約型の生産形態である町工場は無くなるだろうとも予測された。十五年後のいま、バブル経済の破綻によってもたらされた変化はあるが、町工場は無くなりはしなかった。なぜ無くならなかったのか…。
目次
一本十銭の楊枝
わたしのNC事始め
カバのあくび
月とスッポン
そのまた裏通りを生きる人々
仕事の虚と実と
オヤジさんの宿命
町工場はどこへゆく
わたしのへその緒
蟄居するとき
現場百回
いまを苦しむ
必要なのは勇気と…
内部応力あるいは鋼の腹の中
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sabosashi
7
ものを造るのはただタイヘンだ、と思うだけでなくて神業だとしか思えないときがある。自分の経験でいえば中3の技術化でチリトリか何かを造ったことがあるような気がする。そんなわたしたち素人からみれば何でも造れてしまう職人さんはえらい(残念ながら正当に評価されることがすくないが)。たとえば大田区の製造能力が評判になってすでにひさしいと思うが、そのスーパー職人がひしめく中小企業工場(こうば)はたいしたことができないエリート企業の安全弁的なものにされ、そのなかで生きていくには誇りのほかにはかつかつの毎日しかないなんて。2014/06/26
ヒ
1
機械のことは実家の工場で見たり少し使ったことがある程度なのでほとんどちんぷんかんぷんだったがそれらがわかればもっと面白かったに違いない2018/01/14