サンリオSF文庫<br> アルベマス

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サンリオSF文庫
アルベマス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 388p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784387871170
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

SF作家フィル・ディックの終生の友人ニコラス・ブレイディは、1928年にシカゴで生まれた。人生の大半をベイ・エリア、ことにバークリイですごした。カリフォルニア大学に入ったが、軍事教練を拒否して、2カ月で退学。そのあと、レコード・ショップの勤め口を得て、死ぬまで好きな音楽と関わることになる。アメリカでは、悪辣な暗殺によって指導的な政治家が次々に失われ、かわりに謀略や煽動でフェリス・F・フレマントが大統領にまで登りつめようとしていた。そして、ニコラス・ブレイディの異常な体験が始まった。VALIS(巨大にして能動的な生ける情報システム)がニコラスに話しかけてくる。この繰り返しの体験によって、ニコラスは多くの啓示を得、またフレマントの正体を知ることになる…。70年代ディックの乾坤一擲の苦闘を顕わす、傑作『ヴァリス』ヴァリアント。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Vakira

41
人間は3つの意思を持っている。①生と性を掌る肉体の意思。②思考する自己の意思。③深層の無意思。夢を支配しているのはこの③の無意識の自分だ。感覚的に感情も掌る。理由もなく僕が君を好きなのも、この③の無意識の自分だ。この無意識の自分が②の自己意思に気付かない想像力を持って自分に夢を見せる。行った事のない場所を見せる。実際にあの夢に見た場所に来た経験だってあったりする。この③の無意識の自分。これは本当に自分なのだろうか?もしかしたら誰か違う意思に支配されている?では誰?神?それとも・・・宇宙の意思?2023/08/16

スターライト

5
10年にわたって刊行されたサンリオ(SF)文庫、最後の配本。同文庫の功績(功罪?)はいくつもあげられるが、その一つはディック作品を邦訳し続けたことだろう。もちろん全てが読むに値する作品かどうかはまた別の話になるが、21世紀になっても映画化される作家の小説をこれだけ刊行されたことは、評価すべきだろう。本書は、『ヴァリス』に至る習作との位置づけが定番のようだが、ディック神学を知るには好適の書。作中のディックとサダサとの会話(『精神強奪者』のくだり)、ディックとレオンとの会話は印象的。2011/05/28

roughfractus02

4
因果性と相関性の拮抗が生む作者のSF世界は、後期になると神秘性の度合いが増すようだ。作者の死後刊行された本書はこの拮抗を生む作者自身の世界観が克明に描かれていると感じる。偽の神が作った世界と隠された神というビジョンを生む因果的思考は、この世界が相関的だからこそ要請される。ただしこの相関性は、ランダムで偶然に満ちた初期作品のものではない。本書では意思を圧殺する力が個人を不意に襲う可能性として世界の隅々まで支配する。ケネディ後ファジズム世界と化したアメリカで、主人公はVALISから送られる秘教的知を待ち望む。2020/05/28

ノースタコス

0
サンリオ文庫とはディック文庫である

0
Y-202007/08/21

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