内容説明
車のエンストで途方に暮れていた童話作家・槇原宙彦は、貧血を起こし倒れそうになったところを、宇多田志朗に助けられる。中古車のディーラーだという志朗は宙彦を自宅へ送り届け、以来、なにかと宙彦の面倒を見てくれる。過去の事故により、人との関わりを避けてきた宙彦だったが、年下の志朗に惹かれ始め…。初期作品、待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご☆
16
読了2017/10/01
de sang-froid
10
BL。車のトラブルで立ち往生していた宙彦(前)を手助けしてくれた志朗(後・19歳)は中古車を取り扱うモーターショップの店員で、引き篭もっている宙彦の世話を焼いてくれて。オカン気質のバイカー×孤独な物書き。ラブストーリーとしては満足だけど、資産に群がる大叔父・沼田のようなハイエナの活躍が無く、資産家設定があまり生かされなかったのが残念。2013/09/22
たいち
8
作者の古い作品ばかりまとめて手に入れたので最近の作品がどうなのかよくわからないのですが・・。何とも穏やかな透明感がある文章で、しっとりしていながらさらりと読めた。今は違うのかな・・?お互いが過去に心身に傷を負いながら生きているけれど、2人でそれを癒しながらこれからを生きていくんだろうな。志朗は19歳ながらなんつうオトナだ!その上料理上手、DIYも完璧・・言うことなし(笑)宙彦の可愛らしさ、純真さも良かった。2人がだんだん引かれ合っていく過程がもどかしいようなくすぐったいような・・。2011/08/26
スピカ
8
初期の作品ということで少し初々しい、だけど随所で感じる透明感が新鮮な読後感。すごく良かったわ〜。人との関わりを断って孤独のままに生きてきた宙彦と、快活さの裏に暗い過去を持つ志郎。2人が出逢ったことで、それぞれが抱えていた心の傷は、やさしい傷跡へと少しずつ治癒していく…。そんな静かな余韻が心地よい作品。“雨宿りのようなそれは、静かな恋の始まりだった”このシーンにこの文章がピッタリで、すごく素敵だなぁと思った。石原さんの当時の挿し絵も味わい深いです!2011/02/02
烏
7
面白かった。でもどっかで読んだような…あとがきにある崎谷はるひ先生の別作品じゃないんだよー。違う先生の…うーん…思い出せない…まっいいか。志朗が10代とは思えないくらい老成してて、でも時々顔真っ赤にして照れちゃうとかギャップ萌え。ぼんやりしてて見た目儚げの宙彦が実は芯が強いとかいいカップルだなー。セドリックとか古すぎて超ウケたw2017/11/20