内容説明
このあやふやな世界を生きてゆくのだ。大好きな人の声を、忘れたくない風景を、何度も脳に刻み、体にしみこませる。ふとんの中から紡ぐ36編。
目次
おおみそかのどん兵衛
スクリーンのむこう側
ホントウの関係
ようじんさん
本の記憶、ことばの記憶
教わったこと
山小屋の夏
思い出したこと
見上げた青空
赤いずきん〔ほか〕
著者等紹介
高山なおみ[タカヤマナオミ]
1958年静岡県生まれ。レストランのシェフを経て料理家に。書籍、雑誌、テレビなどを活動の場とし、料理だけでなく文筆家としての顔も持つ。『ホノカアボーイ』では、はじめて映画の料理を担当した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
野のこ
32
お布団の中ぬくぬくと心地よくなってきた今日このごろ。私も布団に包まって少しずつ読みました。高山さんの感情が素直すぎて心がぎゅーっとなった、すごく気持ち伝わりました。詩みたいな文章にドキドキと 夢のような空想にふわふわと。出てきた映画や本は知らないのが多くて高山さんの表現から想像力が膨らみました。スイレンさんのタイトルは今回もセンスがキラリ。2017/09/09
花花
17
高山さんの料理本とエッセイ大好きです。これは主に高山さんが観た映画のお話だということでとても読みたかった一冊。映画の話だけでなく音楽や本の話、エッセイ的なものもあるけれど、どれも淡々とゆったりと書かれているのが、とても私好みで心地よい文章でした。手元に置いておきたい本なので購入決定。2012/05/12
のぼる
10
日々ごはん読者にはおなじみの映画、本、音楽がいっぱい。ご自身が料理担当をされた「ホノカアボーイ」の項の「エンドロールで私の名前が出てきたとき、ポンッと、夫に膝をたたかれた。」という描写が好き。その時の二人の気持ちがとくとくと流れてくる。「おわりに」で東日本大震災について触れているけれど、この事で高山さんの日々の捉え方に変化はあったのかな。五感を働かせながら穏やかに日々を生きて行く彼女の姿勢が人間にとって大切なことだと思う。この本を通して、自分にとって好きな作品を知ることは自分を知ることだと思った。2013/07/01
アルパカ
7
子供の頃どもってうまく話せなかったときのこと、山小屋で働いていた時のこと、高山さんの文章は匂いとか汗とかその場の空気感とか、そういうのを全部読んでいるこちらに運んでくるようだ。時々カップラーメンを食べるとか病院で食べたカレーとそばのことなども普通に書いてあり、飾らないところがいい。そうだよね、いくらなんでも毎日三度三度食べ物ばかりに力を入れてられないよね、料理家でもと思ってほっとする。(笑)2016/05/18
アルパカ
6
また読みたくなって。寝る前に読むとホッとします。スイセイさんの家族と旅行に行ったときに「自分だけこの中の誰とも血のつながりがない」と冷静に考えていたり。好きな映画を何度も見たり。ほのぼのとした部分だけでなく激しさや、頑固さもちらちらと垣間見えるのですが。2019/10/18