目次
序章 タフラブは、愛の革命
第1章 夫婦や親子は、なぜ「こじれる」のか
第2章 「包み込む愛」の限界と罪
第3章 「あなたの問題」と「私の問題」を切り分ける
第4章 「タフに生きる」は、だれにでもできる
終章 「関係」からの解放がもたらすもの
著者等紹介
信田さよ子[ノブタサヨコ]
臨床心理士、原宿カウンセリングセンター所長。1946年、岐阜県に生まれる。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。駒木野病院勤務、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、1995年、原宿カウンセリングセンターを設立。アルコール依存症、摂食障害、ひきこもり、ドメスティック・バイオレンス、児童虐待に悩む人たちやその家族のカウンセリングを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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morinokazedayori
21
★★★★★夫婦や親子の問題はこじれやすい。夫の問題、妻の問題、親の問題、子の問題がごっちゃになり、誰の問題か分からなくなる。誰の問題なのかを切り分けて整理し、自分以外の問題にはタフラブ(見守る愛)を貫き、本人の問題解決を信じて見守ることで、事態が好転する。DVの背景や構造についても、分かりやすく書かれている。被害者にはぜひ読んでほしい。2021/02/15
フロリゲン
11
「そうそう!そうなんだよ!!!」と頭をガクガクしながら読みました。生きづらい、でも我慢しなきゃ…と思わされている(搾取されている)女性は絶対読んだ方がいいです。自分を守ることが、結果的に周りの人たちを守ることに繋がる、耐えることは愛ではない。家族だから何をしても許されると思ったら大間違いで、人としてやっていけないことは法的措置の取られない家族内でもやってはいけない。特に日本は韓国や台湾と比べてもDVに対しての法的整備がかなり遅れており、家庭が殺戮装置になりやすい。一刻も早くDVの法的整備をしてほしい。2016/04/12
はなあぶ
9
タフラブ(tough love)は、日本語で、手放す愛、見守る愛などと訳される。日本では、献身的に尽くして耐える姿が美徳のように思われているが、その実態は、愛という名を借りた支配であり、共依存を含むことが多い。弱者のふりをして相手のケアを引き出したり、逆に相手を世話することで力を奪い、自分に依存させたりする共依存は、タフラブの対極にある。タフラブは、相手の問題を自分が肩代わりしないことで、相手の自立を阻害しないのだ。その人をダメ人間のまま温存させないことが、本当の意味で相手のためになる。それが真の愛だ。2016/05/12
paluko
8
「世の中には、常識によって甘い汁を吸える人と、それによって圧しつぶされ抑えつけられる人の二種類がある」(36頁)「気を遣わない人たちは、大勢の気を遣う人たちを踏み台にして生きているのだ」(205頁)…現代の人間関係は「他人行儀」で「ドライ」で物足りない、と思う人はこれまで既得権の上にあぐらをかいてきた可能性を考えてみることも必要かも。基本的人権>>>「家族の和」! 「家族は、マイナスの感情によって相手を傷つけたりしないように、お互いに極力を気を遣って暮らすもの」(206頁)共感できる。2022/10/18
Humbaba
8
常識的に考えられていることであっても、自分としてはあまり納得出来ないことはある。その場合に、間違っているのは社会のほうかもしれない。しかし、それを声高に主張したとしても、聞き入れられる望みは薄い。それよりも事実を事実として受け入れた上で、自分がどうするかを考える方が建設的であるといえるだろう。2015/07/19