ホイッスル

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334928438
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

平穏に暮らしていたはずの両親。その父が突然いなくなった。思い出の詰まった実家も売却されていた。何一つ身に覚えのない母は、なぜと叫びながらも、答えを手繰り寄せていく。不倫・離婚・裁判、家族の再生の物語。

著者等紹介

藤岡陽子[フジオカヨウコ]
1971年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大留学。慈恵看護専門学校卒業。2006年「結い言」が宮本輝氏が選考する「北日本文学賞」の選奨を受ける。2009年、看護学校を舞台に友情、恋愛、そして将来への夢と希望を描く『いつまでも白い羽根』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ウッディ

184
長年連れ添った夫に、「家を売って、好きな女と生活を始める」と告げられ、家を追い出され、途方に暮れる聡子は、相手の女に損害賠償請求をするため、芳川法律事務所を訪れる。サッカーの審判員という夢をあきらめ、弁護士になった芳川は、間違ったことにホイッスルを鳴らすレフェリーとして正義を貫く。沼田和恵の自己中心的な考え方、そんな女に引っかかった夫の情けなさとは対照的に聡子の潔さが気持ちよかった。「テミスの休息」と読む順序が逆になってしまったけれど、温かい筆致で、前向きに努力する人が報われる話で、面白かったです。 2019/09/25

しんたろー

143
『テミスの休息』の前作にあたる作品。原告&被告の女性たちの心情を丁寧に描いていて、夫婦とは?家族とは?と考えさせられながら感情移入しつつ読んだ。男の身勝手さや無理解が、どれだけ罪作りなのかを知らされて、自分を省みる部分もあった。老妻が70歳近くから再起しようと清掃員として頑張る姿に、年寄りなのに働いていた自分の母が重なって涙が滲んだ。 切なさと人情をシミジミと描く藤岡さん作品を知ることができて良かった!芳川弁護士と事務員・涼子のホワイトデーの部分が描かれていたのも嬉しかった。2016/11/09

mariya926

142
『テミスの休息』の弁護士の芳川さんと事務官の沢井さんが出てると知って楽しみにページを捲ってみたら何か不穏な空気が…。夫が家も売ってしまい全財産を持って消えてしまった妻の聡子が登場します。しかも夫は全く妻を思いやることも無く、浮気相手の看護婦である和恵に惚れてしまい全てを差し出す覚悟。しかし芳川さんの助けも受けつつ聡子は仕事も始め少しづつ変わり始めます。何か私にホイッスルを吹かれた気がします。自分の人生に安穏しないでと。藤岡陽子さんの本はまだ4冊ですが色々考えさせられる内容が多いです。読友さんのお勧めでした2019/09/20

taiko

139
平凡な日々から、突然何も無い状態に放り出された妻の立場、同じ年頃の両親を持つ娘の立場、どちらにもなり得るので、読みながら何度も胸がかきむしられるような気持ちになりました。でも、悪意に満ちた和恵自身も、ある意味被害者ではないかとも思え、同情してしまうところもあった気がしています。彼女の周りの人が酷すぎたのではないかなと。最後に章に再会した聡子の姿に、涙が止まりませんでした。強くなった聡子達の姿に安心したものの、生きているうちに、章が家族の元に戻れたら良かったのに、と思わずにはいられませんでした。2015/11/14

ダイ@2019.11.2~一時休止

121
タイトルから予想する内容(スポーツもの?)とは違うお話で、無茶苦茶な人間がいっぱい出てきますな。お金をかけて変な偽装しなくても謝って和解するのが一番安上がりのような気が・・・。本作のイイ人サイドの弁護士がまだ未読の作品に出てるみたいなんでそっちは今後の楽しみに。2018/06/20

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