出版社内容情報
両親を交通事故で失った片桐は、それ以来、一族が代々戦い続けてきた「敵」の脅威に晒される。敵の正体は?片桐の一族の秘密とは?
内容説明
片桐真治は亡母の遺品から、行方不明だった母の弟・赤石の住所を知った。そこは過去、凄惨な殺人の現場となっていた房総半島奥地の山荘だった。翌日友人・貫井の勧めで、片桐は赤石を訪ねるが、赤石の態度に奇妙な違和感を感じる。帰途、自動車内でムカデに襲われ死にかけた片桐が戻ると、自宅が放火され、留守番をしていた貫井の妻と娘が惨殺されていた―。さらに一族の宿命の「敵」は奇怪な力で大量の死者を出しながら、片桐を狙う。彼に逆転の方法はあるのか!?第19回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した著者が満を持して放つ伝奇ホラー・サスペンス力作長編。
著者等紹介
嶺里俊介[ミネサトシュンスケ]
1964年、東京都生まれ。学習院大学法学部法学科卒業。NTT(現NTT東日本)勤務を経て、執筆活動に入る。2015年に『星宿る虫』で第19回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞、翌16年にデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
173
自分のDNAに特異な能力が組み込まれていたとしたら・・いやいや、寝た子は起こさないで!が正直なところだ。『老いて死ぬか、それとも他人を殺して若返るか』・・生きる為の手段ならもうそれは人間じゃない。人でないものとの戦いが来る日など無いと言ってください。最後まで読んだが、苦手な作品な感じでした。得体の知れない食べ物・・原型が不明なのは怖いね。2020/01/26
yukision
80
両親の死により身内がいなくなった片桐は,母の遺品から行方不明だった叔父の住所を知る。叔父に会った直後から命を狙われ,周囲も巻き込む事件に繋がっていく。実は片桐の一族には特殊な能力があり…という伝奇ホラー・サスペンス。やや読みにくかったが,ストーリーは面白かった。2022/06/05
あも
80
南房総の人魚伝説を原型としたSF伝奇ホラーアクション。両親が事故で亡くなり、天涯孤独となった真治は実家の片付け中、存在も忘れていた叔父の手紙を発見し、彼を訪ねたことで自らの血に隠された秘密に触れる。人めっちゃ死ぬ!潔いほど死ぬ!!しーかし面白かった!良い意味で後に残らないというか…余韻や深みや何やらじゃなく、一気に読んで、あー面白かった!とシンプルに言える満足感。たぶん読んだことも忘れちゃうけどそれでいい。面白いバラエティ番組の内容忘れたからって時間の無駄なんて誰も思わないでしょ?楽しい時間プライスレス。2020/02/13
ゆみねこ
76
怖い!でも読むことを止められず。両親の突然の死によって疎遠になっていた母方の叔父の存在と、その住所を知った片桐真治。赤石と名乗るその人物に感じた強烈な違和感。真治の持つ特殊な力と次々に襲いかかる危機。地棲魚とは絶妙なタイトル。2020/01/31
Bugsy Malone
72
以前読んだ著者のデビュー作「星宿る虫」がとても好みだったので、「地棲魚」という題名からしての、おっ!これもまた!と思い読んでみました。人魚伝説を元にしたような伝奇サスペンス。思わせぶりな表現から勘ぐってしまう様な記述なのに、そこはストレートな展開のままで拍子抜けしてしまう部分もあったけれど、終盤の「地棲魚」という異形の魚にまつわる昔語りは中々迫力がありました。とても面白いのですが、もう少し伝奇寄りであればなお読み応えがあったように感じました。2022/06/04