内容説明
須崎茜は私立藤ヶ丘女子高校に通う俳句好きの女の子。ある日、俳句に否定的な国語教師と授業で対立したことをきっかけに、俳句の趣味を理解してくれるトーコという友人ができる。2人は「俳句甲子園」を目指して俳句同好会を設立するが、出場に必要な人数は5人。メンバーを集めるため、茜とトーコは校内を駆け回る。俳句経験者の茜、切れ者のトーコ、書道有段者の真名、音感の鋭い理香、口達者な夏樹、情緒豊かな瑞穂…初めはばらばらだった6人の個性が“俳句バトル”で輝きを増す!少女たちの友情と成長がまばゆい、圧倒的青春小説!!
著者等紹介
森谷明子[モリヤアキコ]
1961年、神奈川県生まれ。2003年、紫式部を探偵役にした王朝ミステリ『千年の黙(しじま)異本源氏物語』で第13回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナイスネイチャ
182
図書館本。俳句甲子園を目指す女子高生の話。登場人物も初心者で俳句に全く興味ない私には同じ目線で読めて面白かったです。相手の俳句のあら探ししていくっていうのがちょっと驚きでしたね。2015/07/17
mocha
116
面白くて一気読みだった。俳句甲子園を目指す女子高生達の青春小説。俳句甲子園の存在も知らなかったが、実作と鑑賞で競うチーム戦というのにも驚いた。音感、書道、ディベート力などそれぞれの強みを活かして戦い、お互いの間に信頼関係が育まれていく。たった十七文字に様々なルールがある不自由な表現。なのにそこから自由で広がりのある世界が生み出される。俳句鑑賞の面白さを教えてもらった。2016/10/12
みかん🍊
101
同好会を作り俳句甲子園を目指す、定番の部活青春物ではあるけど、やはり仲間を集めて俳句甲子園に出るため頑張る高校生たちの姿は熱い、甲子園は野球だけではない他のスポーツでも文系でも仲間と何かを目指して行く、もちろんやるからには勝ちを狙うが勝つためにずっと努力して練習してもし勝ててもそれで食べて行ける人間はほんの一握り、殆どは関係ない生活を送る、だからといって意味がないと止める事は出来ない。前半は俳句の説明が多く教科書的でしたが、後半の俳句バトルは面白く、五七五の僅かな文字での如何に表現し解釈するかが面白い。2016/02/16
ぶんこ
68
女子高生が「俳句甲子園」に挑戦していく物語。俳句の世界にこういった競技会があった事、5人の団体戦、ディベート線も重要な判定要素等々驚くことばかりでした。相手をうちまかす・・なんだか俳句の世界とは相容れないと感じてしまうので、素直に良いと思ったのは褒めるのがいいな。(広い空を見上げ)空は広い、空は見上げるものだから、言葉の重複はしないようにとの指摘が目から鱗。17文字に凝縮するからこその言葉の美なのでしょうか。面白かったです。2017/11/16
そうたそ
66
★★★★★ 「俳句甲子園」に挑む、女子校にて俳句同好会を結成した女子高生たちの姿を描く青春小説。少し前に村上しいこ「うたうとは(以下略)」を読んだが、あちらは短歌でこの作品は俳句。しかし内容的には通ずるものがある気がする。俳句といっても、情景にとどまらず、文字という見た目での表現、そして発音という音での表現など様々な形で表現できるものであり、たった十七音とはいえ、ものすごく奥深いものなのだと改めて実感した。メンバーそれぞれが自分の持ち味を活かしつつ、俳句を読む腕を磨いていく姿が輝かしかった。2015/12/01