光文社文庫<br> サイレント・マイノリティ―難民調査官

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光文社文庫
サイレント・マイノリティ―難民調査官

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  • サイズ 文庫判/ページ数 335p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334778880
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

東京入国管理局の難民調査官・如月玲奈は、母国で政治的迫害を受けたと訴えるシリア人・ナディームを調査するが、十三歳の彼の娘は、自分たちは故郷で平和に暮らしていたと主張する。なぜ、父娘で証言が食い違うのか?そして事態は、同じ頃に新宿で起きたシリア人夫妻の殺害・誘拐事件と奇妙な繋がりを見せていく。玲奈たちが見出す、悲しくも驚愕の「真実」とは。

著者等紹介

下村敦史[シモムラアツシ]
1981年京都府生まれ。’99年に高校を自主退学。同年、大学入学資格検定合格。2006年より江戸川乱歩賞に応募を始め、’14年に9回目の応募となる『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞。同デビュー作が「週刊文春2014ミステリーベスト10」国内部門で2位、「このミステリーがすごい!2015年版」国内編で3位にランクインした。’15年に発表した『生還者』は第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門の候補に、’18年に発表した『黙過』は第21回大藪春彦賞候補になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

293
『正しいか正しくないかを行動の指針にしたら、多分色々と過ちを犯すと思う。正しさって自分で決められるものじゃないし、自分が信じる正しさは誰かにとっての間違いだったりするし...』この考え凄く共感。難民調査官を主人公にした珍しい作品。シリア情勢、テロリストの思想等丁寧に紡いで尚且つ不可解な謎も見事にパーツがはまり真実へたどり着いた時は驚愕の唸り!情報の怖さ、先入観の危うさ、そして何より『生まれついた場所でかくも人間は運命付けられる』という悲哀が心を痛めた!人の命さえ左右しうる究極の選択を何度も迫られる‼️🙇2020/05/13

absinthe

210
面白かった。世界情勢、特に虐殺、弾圧、迫害、暴行。こういったテーマをこういう切り口で見せるとは。このテーマだとどうしてもヒーローが敵地に乗り込んだりアクションやバイオレンスに行きがちだ。難民審査官の目を通すことで我々日本人と遠い問題ではないことを教えてくれる。目を背けたくなるような描写もあるがこれもまた現実。世界には助けを待つ人々が待っている。このシリーズ楽しみになった。2019/09/21

相田うえお

105
★★★☆☆20019 【脱線話】当方が、あちらの人と仕事をした時のこと。ファミレスへ食事に行ったんですけど、料理に含まれる材料について詳しく聞いてましたね。『ハラール』が食べて良いもの?『ハラーム』が いけないもの?豚肉とか酒類は駄目とか。。そーいえば、バングラディシュの人と仕事をしたときは、業務がメチャ大変だってーときに「お祈りノ時間ダカラ、ヌケマース!」あら、いなくなっちゃった。宗教的なことだから仕方がない。その日の段取り『再検討〜!まっ、祈りテぇ〜!(サイレント マイノリティー)』って訳だし。 2020/02/21

のり

82
難民調査官シリーズ2弾。シリア人父娘のインタビューを開始したが二人の言い分が違う。同じ時期に他のシリア人が殺害・拉致事件も起きている。祖国は内戦で情勢が安定する事もない。互いに正義をかざし戦火が拡がる。イデオロギーを最優先すると悲劇にしかならない。一般市民は平和を望んでいるにもかかわらず…日本国内でも反難民デモが…それにしても下村さんの筆力には脱帽。厳しさの中に優しさが含まれホッとする。2020/03/06

owarai

70
正義とは、正しい行いをする事。では、あなたにとって正しいとは何か。あなたの正しさは、他人にとっても、正しいのか。人が人として生きる以上、他人との関わりは避けられず、関わりがある以上、価値観の違いから何処かに軋轢が生じるはず。強者が振りかざした正義により、弱者が傷ついた結果、生まれる難民問題。本作はあくまでフィクションだが、謎に満ちた虚構を楽しむ程、人間の醜い一面を見ようとせず、ただ漫然と綺麗な世界に生きている自分に、深く恥じ入る気持ちが湧き立つ。2019/11/09

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