内容説明
箱館で茂吉と別れた権介は、三本脚の白狼オイヌサマ、アイヌのパセクルと出会い山で暮らしていた。やがてパセクルの死を看取った権介は、羆との死闘で傷を負ったところをアイヌの娘イポカシに救われる。一方、剣の腕を見込まれた茂吉はヤクザの一家を構え、札幌にまでその勢力を伸ばす。アイヌに心を通わせた男と、無頼に生きる男。蝦夷地を舞台に迸る二人の運命を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フミ
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権介と茂吉、それぞれの場面展開で進むので、飽きが来ない。生きているということを考えさせらる。2013/09/12
ハシ
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読み始めて初めの3章は、正直ちっとも進まなかった。なんだかよくわからない男とひねくれた少年が、共にサバイバル生活を送る中で交わす言葉のそこここに、男のエロい言葉がちりばめられていて、正直、おっさん化した私でも辟易とした感じだった。しかし、読み進めるうちにその深さを感じた。なんと、己の生きることのもっともらしい嘘で固められていることか…それを自覚しているものと、はるか超越しているかに見えるもの…この二者が、物語の途中で道を二手に分かれ、全く別々の視点で語っているようで、とても考えさせられた。2012/03/06
三原城の守り人
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AA2022/01/20