光文社新書<br> 敗戦と赤線―国策売春の時代

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光文社新書
敗戦と赤線―国策売春の時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 244p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334035228
  • NDC分類 384.9
  • Cコード C0221

目次

第1章 赤線の誕生
第2章 カフェー街としての赤線
第3章 特飲街成立のミッシングリンク―東京の事例から
第4章 駅に近接する個室付浴場街―金津園(岐阜市)の来し方をたどって
第5章 赤線ではなく青線、それが問題だ―国際園(岐阜市)の移転問題
第6章 京花街の周辺文化―雇仲居と席貸(戦後編)
第7章 戦後那覇の都市建設と「歓楽街」の設置問題

著者等紹介

加藤政洋[カトウマサヒロ]
1972年信州生まれ。大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(文学)。専攻は社会・歴史地理学。流通科学大学商学部助教授を経て、立命館大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちさと

36
戦前遊郭の公娼532か所、戦後赤線の私娼800箇か所(管理売春に関係すると認められた集団売春街1800か所)。占領下、私娼街の制度化とういう在娼主義が集団売春街の成立を後押しした。RAAの活動や、東京、岐阜、沖縄の歓楽街の成立や再建のケーススタディが詳しいけどれど、数字やデータに比べて解説が少なく感じました。様々な享楽にまつわる禁止要項があった戦争末期にも、実に数多くの慰安所が新設されていることに驚く。国が無償で物資を払い下げするほど協力的だったとか、なんか、解せない。2019/04/17

とみやん📖

9
東京の赤線青線について戦争前後を中心に論じた後、岐阜、京都、沖縄の特飲街などについて触れたもの。都市の成り立ちに軸を置いていて興味深いが、全体的にまとまりがなく、読みにくい。 ここにない地方都市を歴史的に紐解き考察していくと面白いのかもしれないと思った。今なら公の場で議論することすら難しい業界の扱いについて、昭和の半ば位までは役所も公式の記録まで残している点には隔世の感がある。太古の昔から連綿と人類の営みとして続くこの業が、我々の意識と無関係に、街の形成に影響を及ぼしているのだと思った。2022/02/05

西澤 隆

9
売買春街は時に地域振興としても機能し、一方で町のガラを悪くする。絶対悪としてRejectしていくのではなく、美味しい部分を利用しようとするひとたちがまちの実力者の中にはかならずいて、毒をもって毒を制す的に、しかも裏ではなくかなりオフィシャルな場で活用されてきた歴史が赤裸々に掘り起こされた一冊。沖縄のこと、岐阜の金津園をめぐる一連の動き。ほんとうにヒトというのは絵空事だけでは動かないのだなあとつくづく思う。今となってはここまでミもフタもない目的追求を行政絡みでやることは無理だろうと思うけど(だと思いたい)。2018/01/10

蛭子戎

3
Kindleのアンリミで。戦後の混乱期に日本人女性を守るという美名のもと人身御供として米兵相手の売春街を作ったのがはじまりでそのあと事実上黙認状態で売春街が一般の日本人に解放されていた時代の話。国も売春防止法以前は戦前みたいな人身売買でなければ目を瞑っていたみたいだ。いまだってソープがあるんだしそこらへん曖昧なままだ。東京、岐阜、沖縄が事例として出てくるが土地勘ある人が読んだらえっあそこって昔赤線だったの!?みたいな驚きがあると思う。2017/08/10

2
吉原と玉ノ井と深川ぐらいしか知らなかったので、下町は実は売春宿だらけだったことにビックリした。東京パレスとかすごすぎる。あと、岐阜の神社の境内に売春宿の集まりがあったって言うのも想像しても想像しきれないぐらい衝撃的だった。2012/07/20

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