内容説明
神田で洗い張り屋を営むお房の店にみすぼらしい老人が訪ねて来た。老人は病のせいか、立っているのもままならない。用件をきくて、裏の仕事―つぐない屋への依頼だった。老人は若い頃、盗賊の一味に加わって悪事を働いていた。押し込みに入り、怪我を負い、役人に追われていたとき、ある少女に助けられたことがあった。無頼と放蕩に明け暮れた人生で、その一瞬だけが美しい思い出で、死ぬ前にその少女にお礼がしたいという。果たして老人の最期の願いは叶うのか…。
著者等紹介
牧南恭子[マキナミヤスコ]
名古屋市立女子短大卒業。1990年『爪先』(講談社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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