感想・レビュー
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miyuki
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復刻版の方でなく初版の方だが、拾遺集の部分だけ読了。煌びやかな平安時代の有名な歌はもちろん多く、かつ万葉歌もあり連歌もあり、神祇と釈教に繋がる歌群も部立てこそされていないものの存在する。それたけでなく、漢語を取り入れた歌も案外多く、また鍋やら食べ物やら、和歌で詠まれるべきでないものも混じっていて、王朝時代の風俗が伝わってくる歌集のようだ。編纂を誤ったのか一部、古今集の秀歌も含まれているが、殊に貫之の絶唱とされる歌などは多くこの歌集に載せられている。読めば読むにおもしろくなる歌集であろう。2015/05/04
miyuki
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後撰集の梨壺の五人によって万葉集に訓点が施された結果か、人麿や家持といった万葉集時代の歌人が名前付きで堂々と平安歌人と並べているところが古今集から読んできた私としては斬新であった。人麿が遣唐使になって中国で詠んだ歌など、信用できない詞書も多くあるが、そういうところもおもしろい。この日本古典全集版は、掛詞が〔 〕で「思ひ〔火〕」といった具合に、本文に表されているので、注釈はないけれど歌を鑑賞する上ですらすらと読むことができる。一度読んでみるとよい版だと思います。歌番号がないので学術用には不向きですが。