負の生命論―認識という名の罪

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  • サイズ B6判/ページ数 219,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326153688
  • NDC分類 461.1
  • Cコード C3010

出版社内容情報

かつて何かを知ることは、幸福と進歩をもたらすと信じられていた。ただ今日では、そうではない。知ることの負の経験とでも呼ぶべき陰鬱な事態のあることを知ってしまった。本書は生命科学の分野から四つの例を挙げて論述する。全体は二部構成になっている。第Ⅰ部は「汚れた知」。アメリカ・アラバマ州タスキーギで、1932年から40年間に亘って続けられた人体実験をテーマにする。第Ⅰ部だけでおよそ半分の頁を占める。第Ⅱ部には「ある科学主義者の肖像」「ホモ・ホリビリス」「LSDの産婆術」の三本を収める。著者はこれらの論稿で、進化思想史の中で生まれた物理化学一元論的な思考の果て、あるいは脳と化学物質をめぐる人間の「怪物性」を凝視している。

同著者『サイエンス・ウォーズ』(東京大学出版会)、『バシュラール』(講談社)、
『科学論の現在』(勁草書房)、ほか。


第一章 汚れた知──タスキーギ研究の科学と文化
序論
1 「標的」のスペクトル
2 歴史的俯瞰
3 弔鐘の医学


第二章 ある科学主義者の肖像
1 生物学の乾き
2 進化論と病理学との交錯
3 一元論的認識論の外挿

第三章 ホモ・ホリビリス
1 操作の汎在または犯罪
2 ある医学的生命観
3 クロルプロマジンとその周辺
4 合わせ鏡

第四章 LSDの産婆術
1 履歴と肖像
2 麻薬の思想
3 自己言及

あとがき
人名索引
初出一覧

内容説明

かつて何かを知ることは、知る人を幸せにし、知られる対象を豊かに肉付けすることに結びついていた。だが、現在、認識という行為を“負の経験”としてしか感じられないような事態が一部で進行している。生命科学を題材に、その逆説に肉薄する。

目次

第1章 汚れた知―タスキーギ研究の科学と文化(「標的」のスペクトル;歴史的俯瞰 ほか)
第2章 ある科学主義者の肖像(生物学の乾き;進化論と病理学との交錯 ほか)
第3章 ホモ・ホリビリス(操作の汎在または犯罪;ある医学的生命観 ほか)
第4章 LSDの産婆術(履歴と肖像;麻薬の思想 ほか)

著者等紹介

金森修[カナモリオサム]
1954年札幌市に生まれる。1985年パリ第一大学哲学博士号取得。1986年東京大学大学院人文科学研究科(比較文学比較文化)博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院教育学研究科教授。専攻は現代科学論、科学思想史。主著に『フランス科学認識論の系譜』勁草書房、1994年(第12回渋沢・クローデル賞受賞)、『サイエンス・ウォーズ』東京大学出版会、2000年(第26回山崎賞・第22回サントリー学芸賞受賞)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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アルゴス

0
メインは黒人の梅毒患者にたいする生体実験についての論文。ただし読み終わってもとくに新たな発見はない。よし調べたのはわかるのだが。それよりも意識の随伴説や進化論との交渉があったル・ダンテクについての論文や、LSDの思想についての短文が面白いかも。しかしなんともとっちらかった論文集だな。★★2017/12/27

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