癌との闘い―“シグナル”療法と“遺伝子”療法

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  • サイズ A5判/ページ数 218p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784320061415
  • NDC分類 494.5
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 癌の画期的な治療法といわれる“シグナル”療法と“遺伝子”療法を一
冊の本にまとめた。専門家ばかりではなく一般の読者にも理解できるよ
う,癌研究や癌治療の「最先端」をわかりやすく紹介している。癌は,
正常な生命活動を営む際の,種々の“シグナル(情報)”タンパク質に
変異が起こることによって発生する。本来,細胞の正常な増殖を“スイ
ッチ=オン(点灯)” あるいは「スイッチ=オフ(消灯)」しているシグナル
タンパク質は,時にその変異によってスイッチ機能が狂って「点灯した
まま」になることがある。これが癌の原因である。本書では,狂ったス
イッチを修復して癌を治す種々の治療法を,著者自身の30年近い研究を
含め,また“癌と闘う”日本をはじめ世界の戦士(研究者)たちの群像
を交えて詳しく紹介している。    

《目次》
はじめに―21世紀は癌の“シグナル療法”の時代
第1章 発癌遺伝子と抗癌遺伝子
第2章  発癌シグナル
増殖因子(サイトカイン)/チロシンキナーゼ /Srcファミリーキナーゼ
/EGFレセプター(EGFR/ErbB)ファミリー/PDGFレセプター(PDGFR)/イ
ンスリンレセプター(IR)/TRK(NGFレセプター)/発癌性Gタンパク質
(Ras/RhoファミリーGTPase)/G タンパク質の“発祥地”(大腸菌リボ
ソーム)/古典的3量体Gタンパク質/発癌性のGタンパク質(Ras)/細
胞周期キナーゼファミリー(CDK)/核内タンパク質(転写因子)/Fos/  
Jun/Myc  
第3章 抗癌シグナル
GAP(NF1とp190)/NF1/p190-A/フォスファターゼPTEN:PI-3 キナー
ゼ阻害酵素/CDK阻害タンパク質/細胞骨格タンパク質/ビンキュリン
とαアクチニン:最初の抗癌性アクチン結合タンパク質/ゲルソリン/ 
NF2(神経線維腫症 タイプ2タンパク質)/HS1/キャッピングタンパク
質ファミリー/テンジン/アクチン脱重合タンパク質コフィリン/APC
(家族性大腸ポリポーシス症タンパク質)/核内タンパク質/p53/ 抗癌
遺伝子RB発見物語/サイトカイン/TGFβファミリー/DAN(ダンキン)/
“ルードビッヒ国際癌研”とその“関西支部”への構想 (個人的見解)
第4章  発癌タンパク質の機能を抑える分子
制癌酵素 とペプチド/毒素C3(Rho ADPリボシル化酵素)/Raf81/NF56
/ACK42/PAK18/“クールな猫(キャット)”/制癌剤(シグナル阻害剤)
/Rasファルネシル化阻害剤/チロシンキナーゼ 阻害剤/PAK 特異的阻
害剤/チロシン誘導体:アザチロシン/アクチン結合剤/MEK/S6K阻害
剤:U0126/AG126(メックス 6)/HSP90阻害剤:ラディシコール とゲル
ダナマイシン   
第5章 抗癌タンパク質に代わる薬剤やペプチド
p53ペプチド/TSAなどのHDA阻害剤はWAF1/CIP1/p21誘導剤/中国漢方
薬「当帰龍薈丸」の制癌有効成分/レプトマイシンB(核外輸送阻害剤)
第6章 抗癌ウイルス療法
レオウイルス/アデノウイルス(オニックス-015株) /ヘルペスウイル
ス:G207株
第7章 血管新生 (アンジオジェネシス)
VEGFレセプター阻害分子(薬剤, タンパク質)/血管新生阻害タンパク質
/アンジオスタチンとエンドスタチン/プロテアーゼ阻害剤 /サリドマ
イド

内容説明

未来へ向かって羽ばたく、癌の新しい治療法、「シグナル」療法とはいったい何か?発癌遺伝子や抗癌遺伝子の発見と、その遺伝子産物(タンパク質)によるシグナル伝達メカニズムの解明に基づいて、「狂った」癌細胞の増殖シグナルを是正する新しいタイプの制癌剤の開発と、癌を遺伝子療法で治そうとする、画期的な時代がまさに到来しつつある。

目次

第1章 発癌遺伝子と抗癌遺伝子
第2章 発癌シグナル
第3章 抗癌シグナル
第4章 発癌タンパク質の機能を抑える分子
第5章 抗癌タンパク質に代わる薬剤やペプチド
第6章 抗癌ウイルス療法
第7章 血管新生(アンジオジェネシス)

著者等紹介

丸田浩[マルタヒロシ]
1967年東京大学薬学部を卒業。1972年、同大学院で博士号を取得。1973年、渡米して以来、ずっと海外で、癌研究に従事。米国連邦政府のNIH、エール大学、および西ドイツのマックス・プランク研究所などに勤務後、1988年に、豪州にあるルードビッヒ国際癌研究所の中心(メルボルン支部)に転勤、制癌剤および抗癌遺伝子の開発を本格的に開始した。現在、ルードビッヒ国際癌研究所メルボルン支部・制癌剤開発部長。薬博。専攻は製薬化学
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