目次
春と修羅第一集(屈折率;カーバイト倉庫 ほか)
春と修羅第二集(五輪峠;痘瘡(幻聴) ほか)
春と修羅第三集(蛇踊;春の雲に関するあいまいなる議論 ほか)
口語詩稿(阿耨達池幻想曲;毘沙門天の宝庫)
疾中(病床;眼にて云ふ)
東京(自働車群夜となる;丸善階上喫煙室小景)
補遺詩篇(雨ニモマケズ)
歌曲(星めぐりの歌)
文語詩稿五十篇(川しろじろとまじはりて)
文語詩稿一百篇(ポランの広場;林館開業 ほか)
文語詩未定稿(卑屈の友らをいきどほろしく)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Maki
22
思うところがあり、昨夜ごそごそと探しはじめ見つかった本。なんで忘れてたんだろう。好きだった。わかって読んだことがあるだろうか。今でもわかって読んでいるだろうか。でもすごく好きで何度も読んだ本。2018/06/30
mimm
6
新潮文庫の詩集を所有していたにも拘らず、借りてきた一冊。でもこっちの方が読みやすい。字の大きさや注釈の入り方が良いのかも。春と修羅1~3を中心に、補遺詩篇・口詩詩稿・歌曲等が少々。妹の別れから探しに行く作品が、やっぱり胸を打ちました。根底にある強い宗教心から、随分と自分に厳しい人なんだなぁと感じることも。もっと長生きして、作品を読みたかったと思う反面、昏い時代に入ったので見られなくて良かったのかもと思うところも。あまりも繊細で清すぎる気がしました。2012/10/02
ダダダンダ
1
宮沢賢治の詩は地学や天文学、また仏教用語が頻出するので、この本は注釈が下にあるつくりで分かりやすかった。解説の仏教的な解釈から、賢治の文学の根幹の部分に法華経があるのを知り勉強したいと思った。妹が亡くなってからの詩群に表れる葛藤に惹きつけられる…「青森挽歌」“あいつがいなくなつてからのあとのひるよる/わたくしはただの一どたりと/あいつだけがいいとこに行けばいいと/そういのりはしなかつたと思ひます”⇄「噴火湾(ノクターン)」“わたくしのかなしみにいぢけた感情は/どうしてもどこかにかくされたとし子をおもふ”2023/01/02
ルジャンパール究一
0
恍惚2020/09/22
K
0
「あるサラリーマンの生と死」と「蜜蜂と遠雷」で「春と修羅を読まないといかん」と思って。詩集全体が春と修羅であり、春と修羅という詩がある。小岩井農場と賢治の砕石工場通じての関係を知った今は、標題詩だけは明るい理由がわかる。あとは暗い。岩手山さえも。あの広大な青と緑の風景を思い出すにつけ、標題詩の4行の暗さは突出している。内容が膨大かつ抽象的で読むにはこたえるが、おそらく研究しがいもあるし、卒論も書きやすかろう。明石がこの詩に対しどんな即興を奏でたのか・・・・、CDを予約して聴くときにまた参照してみよう。2020/04/02