出版社内容情報
時代に翻弄される少女たちの友情と夢――
大正浪漫あふれる
歌劇物語、開幕!
「世界は美しいばかりではない、だからこそ生命は輝く」岡崎琢磨
「私たちが直面する試練は、百年前も今も変わらない」辻堂ゆめ
「劇作家でもある筆者の、舞台への愛が詰まっている」友井 羊
(あらすじ)
大正二年(一九一三)、高等女学校を卒業し、女優を夢見て上京した山岸妙子は、十六歳で帝国劇場洋劇部に入団する。指導の厳しさで恐れられるイタリア人演出家や、洋装を着こなす外国帰りのスター女優、血気盛んな先輩などに囲まれ、妙子はレッスンに打ち込んでいた。だが日本人には新しすぎたオペラは客には受け入れられず、洋劇部はあっさり解散となってしまい――。
内容説明
大正二年(一九一三)、高等女学校を卒業し、女優を夢見て上京した山岸妙子は、十六歳で帝国劇場洋劇部に入団する。指導の厳しさで恐れられるイタリア人演出家や、洋装を着こなす外国帰りのスター女優、血気盛んな先輩などに囲まれ、妙子はレッスンに打ち込んでいた。だが日本人には新しすぎたオペラは客に受け入れられず、洋劇部はあっさり解散となってしまい―。
著者等紹介
乾緑郎[イヌイロクロウ]
1971年、東京都生まれ。2010年に『完全なる首長竜の日』(宝島社)で第9回『このミステリーがすごい!』大賞を、『忍び外伝』(朝日新聞出版)で第2回朝日時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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coolgang1957
49
大正時代、浅草オペラ全盛期が舞台でした。知ってた人は田谷力三さんくらい、とは言っても亡くなった時に有名なオペラ歌手でしたって知ったくらいかなぁ。徹子の部屋でもしかしたら見かけたかも、うろ覚えです🤣でもここでは主役ではありません。ヒロインは〝山岸妙子さん〟この人は創作なのか、ググっても出ません😔家父長制や自由恋愛やヤクザの興行なんかが相まって興味深く、深刻さもあるけど、全体には楽しげです。唐突ですが浅草神谷バーで電気ブラン飲みたいな🤣2024/04/18
rosetta
35
★★★✮☆朝の連ドラになりそうな話。主人公以外は皆実在の人物。浅草オペラと言えば芸術と言うよりも大衆的な娯楽のイメージだったが、その黎明から最盛期、そして没落。ちゃんとした音楽教育を受けてきた芸術家もいたし、その辺の素人を舞台にあげたような芝居もあった。強烈な個性の持ち主が多く、ソリの合わなさで離合集散もあった。主人公の周りでも仲の良いヴァイオリン弾きのの少女と田谷力三、自由に生きた叔母や体を張って守ってくれたゴロツキ。大正の空気が匂ってくるようだった2024/06/21
えも
26
浅草とオペラ、とくれば、まさに大正浪漫。当時の華やかな雰囲気と、急激なオペラブーム、そして関東大震災とともに活動寫眞に取って代わられるまでの栄枯盛衰を、劇団の一員として追体験した気分になりました。2024/07/06
宇宙猫
15
★★★ 若い歌劇女優の視点で大正のオペラブームを描く。新しい芸術ゆえか考えがの違いが激しく、劇団は離合集散を繰り返し、成功すれば利権にたかるヤクザが絡んでくる。可愛い表紙に反してドロドロした世界を描いているが、主人公は下っ端女優なのでそれほど重くなく読み易かった。2024/07/30
アカツキ
14
大正2年、妙子は高等学校を卒業すると女優を目指して上京。叔母の家に居候させてもらって劇団員として日々鍛錬するが、劇団が解散してしまい…。史実の人物も登場、表紙のイラストにぴったりの少女漫画っぽいタッチで書かれた物語。ただ、ストーリーが薄暗い。明るい青春ものをイメージして手に取ったので、これじゃなかったなと流し読み。妙子がぽやっとした明るい子だったのが救い。2024/04/23