内容説明
この村研年報22号は1985年の第33回村落社会研究会大会において発表された成果を中心に編集されている。この大会において共通課題は、従来の「農政と村落」という課題をうけて、新しく「土地と村落」というテーマが設定された。サブテーマを「土地利用秩序と村落の土地管理機能」として問題への導入をはかるため、戦前の地主制から戦後農地改革による自作農主義への転換さらに高度経済成長期を経て土地利用秩序が変化するにつれて、村落の土地管理機能の変化を考えるという総論的な解明が展望された。
目次
土地と村落―共通課題の論点(高山隆三)
地主制下における土地管理・利用秩序をめぐる対抗関係(安孫子麟)
漁場管理と漁業村落の変容―三重県志摩の事例を中心に(中田実)
ムラと土地(川本彰)
昭和戦前期の北海道における農事実行組合について(黒崎八洲次郎)
農業経営の変容と農業生産組織の展開―山形県庄内地方の事例から(小林一穂)