内容説明
多くの大学の化学系学科で必修科目である量子化学は、難解なイメージと、修得するにはある程度の数学力が必要なことから、難しい科目となっている。本書は、極力数式を使わず、直感的でわかりやすい説明図やグラフを用いて、量子化学を解説。覚える、暗記する、丸覚えではなく、「わかる」「理解する」「わかった!」化学系の入門書。
目次
量子化学とは
第1部 量子論(粒子性と波動性;直線上の粒子運動;平面上の粒子運動;振動と回転)
第2部 結合論(原子構造;電子遷移;共有結合;結合エネルギー)
第3部 分子構造(混成軌道と分子構造;共役系の分子軌道;物性と分子軌道;基底状態と励起状態)
著者等紹介
齋藤勝裕[サイトウカツヒロ]
1945年新潟県生まれ。1974年東北大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。現在、名古屋工業大学大学院工学研究科教授を経て、名古屋市立大学特任教授、名古屋産業科学研究所上席研究員、名古屋工業大学名誉教授。専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kent Kaseda
14
昨日読んだ『絶対分かる量子化学』と同じ著者の本。内容もほぼ同じだが、こちらの方が記述がシンプルで分かりやすい。ただし、誤植は非常に多い。ジャーナリストの立花隆氏は、ある学問分野を勉強する際には、入門書を数冊まとめて読むことを推奨している。今回、その立花流メソッドの有用性を実感できた。同レベルの参考書を続けて読むと、かなり内容が頭に定着する。シュレディンガー方程式を解くことで軌道関数を求め、続いて分子軌道法やフロンティア軌道理論を駆使して分子の物性・反応性を予測する、という量子化学のセオリーが掴めてきた。2017/10/06