内容説明
学校教育における事実は、まずは教室にしかない。その教室の事実を一年間にわたって記録し、分析。教育に全く新しい視点を導入する授業実践とその理論化。
目次
転勤
教室を変える
連休明け
シーシフォスの苦役
ダブル・バインド
協働の活動へ
労わりあい
シャープペンシル
生徒たちの経験/教えと学び
四一人の先生〔ほか〕
著者等紹介
金子奨[カネコススム]
1963年生まれ。1985年首都圏の公立高校に教師として赴任。1996~2002年『ひと』『ひとネットワーク』『リニューアルひと』誌編集委員(いずれも太郎次郎社刊)。2003年度東京大学教育学部派遣研究生。現在、公立高校の社会科教諭、「高校まなびの広場」事務局(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しゅんぺい(笑)
2
いいことしか書いてない。めちゃくちゃおもしろかった。 鷲田清一さんが推薦していることからもわかりますが、鷲田さんにめちゃくちゃ書かれていることのテイストが似ています。 ひととかかわるなかで発生してくる楽しさとか心地よさとかいうものを、教育という場面において考えてみる、そんな本。 ときどきむずかしい内容になることもありましたが、だいたいがあったかい内容でした。 まわりの人間と言葉を交わすこと、みんなでみんなのことを聴きあうことはやっぱり大切やなあと、改めて思わされた。 何回も読みたい本です。2012/07/13
Ken.
1
「学びをつむぐ」というとき、その主体は誰になるだろうか。それは教室という共同体における異人として生徒のこどばを繋いでいく教師であり、そして何より、他者と向かい合い、身体を開き、ことばを交わしあう生徒であろう。自分に大きな影響を与えた合唱指揮者 八尋和美氏の「他者の声を聴かずして、自分の声は生きない」という言葉を思い出した。絶対的な自己などなく、人間は「人」との「間」に自分を見出す。「誰一人として代わることのない差異」として現れる個人を大切にした公共空間をいかに創造していくか、何度も読み返したい一冊でした。2020/05/16
Gyo
1
高校の教育現場にて行われている実践を一年間つづったもの。ナラティブ(物語的)で読みやすい。知識注入型学習からの脱却を図るための実践をつづっている。2018/12/09
Kitajima Masaya
1
授業は生き物… よく耳にする言葉だけど、この先生は本当に自分の授業で子どもが生きる授業をされている… 決して「こうするといい」という手法は書かれていないけど、子どもの聴く力を育てる大切さを実践から学べる一冊。
ジャーマン♪
0
教科書の行間を読む、問いを手がかりにして他者が触れてくる、ということ単に観の問題だけでなく、そういう水準の授業づくりが肝要だと感じた。2013/12/30