出版社内容情報
使い捨てられる労働者、新しい貧困層の増大。こうした状況はどのように作りだされたのか。労働者派遣法制定時から現在にいたる状況を予見していた著者が論じる連帯と抵抗のためのテキスト。湯浅誠、川田文子との対談も収録。
内容説明
どうしてこんなに無惨な情況になったのか。一貫して労働現場を歩きつづけてきたルポライターが、搾取と収奪の実態を怒りをこめて告発し、人間らしい生活にむけた連帯と抵抗を呼びかける。湯浅誠(「反貧困ネットワーク」事務局長)、川田文子(ノンフィクション作家)との対談も収録。
目次
1 いま、逆攻のとき(どん底からの出発;つくりだされた差別と貧困;最底辺労働の実態 ほか)
2 「生きにくさの時代」を生きること―連帯の可能性をめぐって(「生きにくさの時代」―みえない「敵」の前で;社会的紐帯の欠如;言葉による社会の固定化 ほか)
3 新しい運動がはじまった―正規も非正規もともに(高度経済成長のツケと貧困問題の再来;労働運動と連帯の可能性;人間の生存という普遍的テーマ ほか)
著者等紹介
鎌田慧[カマタサトシ]
1938年青森県生まれ。ルポライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
38
労働者派遣法がまた改正されようとしている。この法律はそもそも労働者を守るためのものが2000年あたりからの構造改革、自己責任という言葉に押される形で改正され、それまで認められていなかった製造業にまで派遣社員を認めた。その結果今のような非正規雇用が溢れるようになり、貧乏から貧困というギリギリで生活せざるを得ない人々も同時に増えることになった。本書は最底辺労働に目を向け何が問題なのか、これからどうあるべきかを著者の取材をとおして書かれている。 利益を溜め込む大企業の幹部たちはこの実態を認識しているのか疑問。 2015/05/20
のうみそしる
2
少し古いが、言ってることは真っ当。日雇い派遣の血と涙。湯浅誠が出ていてうれしい。それにしても、著者のドぎつい左翼臭さはどうにかならんものか。「全労」「総評」とかを略さないでちゃんと言うだけで左翼臭さは緩和すると思うのだが。現代の労働者もとい一般人には、「労働運動だ!」と身構えさせないやり方が必要なので。2021/06/08
あが
0
読んだ方がいいよ…2010/08/17