ランダムハウス講談社文庫
虎は語らず―戸川幸夫動物文学セレクション〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 530p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784270101940
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

虎は本当に人を襲ったのか?インドのジャングルに潜む底知れぬ魔力に光を当てた表題作他、日本史上最悪の熊害「三毛別羆事件」を克明に再現した『羆風』、マッコウクジラのボス「欠け鰭」の栄光と挫折を悲哀を込めて描く『鰭王』など、人間と野生動物の相克を浮き彫りにする傑作短編集。

著者等紹介

戸川幸夫[トガワユキオ]
1912年、佐賀県生まれ。旧制山形高校(現・山形大学)の理科に入学。1937年、東京日日新聞社(現・毎日新聞社)に入社。1955年、初の小説『高安犬物語』が直木賞受賞。以後、動物小説を次々と発表し、「動物文学」をジャンルとして確立。1965年には西表島でイリオモテヤマネコを発見。従軍記者経験から、戦記文学も数多く残した。紫綬褒章、三等瑞宝章受章。2004年5月没

小林照幸[コバヤシテルユキ]
1968年、長野県生まれ。明治薬科大学在学中の1992年、『毒蛇(どくへび)』で第1回開高健賞奨励賞を受賞。1999年、『朱鷺(トキ)の遺言』で、第30回大宅壮一ノンフィクション賞を同賞史上最年少で受賞(当時)。信州大学経済学部卒。明治薬科大学非常勤講師(生薬学担当)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

38
表紙の虎は著者自身が撮影された写真。微量にミステリーの香り「虎は語らず」「象」個人的好みの毒蛇ハブ2作「加奈のマングース」「名人ハブ源の左足」吉村昭氏『熊嵐』に先駆ける事12年「熊風」実在飼育係モデルの「ゴリラ記」尾びれ千切られた牡の抹香鯨《欠けひれ》描く「ひれ王」三本指の猟師と羚羊の攻防「飴色角と三本指」ショーのフィナーレ猛獣使いに訪れる危機・ライオンの「爪」傷付き老いた尾白鷲の回想「老醜」昭和30年より南青山在住・著者の「カミさんと鼠」まさかここで出会うとは。読書メーターに拡がるG本。→続2011/05/03

ナチュラ

2
12話の「動物」を題材にした短編集。 実話に基づいた物語や、エッセイ、ミステリー的なものまで。 ヒグマ、トラ、象、マッコウクジラ、ハブなど動物の種類もさまざまであったが、人間と動物の両方の目線で描かれているところが素晴らしかった。 2014/07/12

brink

1
動物テーマの短編集。三毛別熊害事件を題材にした「熊風」が読みたくて手をつけました。どの作品も短編なので、ストーリーが凝縮され、密度が濃い感じ。さらに厳しい自然の摂理&人と動物の人情話が多くてズッシリきてしまうな…と思いきや、ユーモアたっぷりのゴキブリ連れ海外旅行話で息抜きできました。あと、戸川先生の書かれる雌獣の仕草は無邪気に愛らしくて色っぽい。雄たちが命がけで戦ってしまうのが、なんだかわかる気がします。特にマッコウクジラ。あんな求愛されたら、もう。2010/07/01

しんこい

0
人間が縄張りに入ったり原野を開拓したのが原因とはいえ、人食い熊に同情するのは難しいです。ゴリラの話とかが好きで、動物主観は苦手というべきか。2011/09/03

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