内容説明
耳をすましてごらん。生き物たちの歌が聞こえてくるよ。工藤直子の詩と今森光彦の写真が奏でる里山絵巻。
著者等紹介
工藤直子[クドウナオコ]
1935年生まれ。詩人、童話作家。虫や動物たち、草や花など、身近な生き物たちのおしゃべりやささやかな思いを綴った作品は、多くの子どもだけでなく、大人にも大人気。全国各地で講演や朗読を積極的に行う一方、最近では絵の個展やハープの演奏など、多岐にわたる方面で活動中。2004年、巌谷小波文芸賞受賞
今森光彦[イマモリミツヒコ]
1954年滋賀県生まれ。写真家。琵琶湖をのぞむ田園風景のなかにアトリエを構え活動する。自然の人との関わりを「里山」という空間概念で追い続ける。一方、学生のころから世界各国に訪問を重ね、熱帯雨林から砂漠まで、生物と人が生きるあらゆる自然を見開きし取材している。数多くの写真絵本を出版し、数々の賞を受賞している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
127
素晴らしい!読んでいると、心が晴れ晴れとして、おおらかな気持ちになる。『のはらうた』の工藤さんらしい詩集。長生きのクヌギの視点から生きとし生けるものを讃える詩。工藤さんの詩に寄り添う今森さんの写真は、ただひたすら美しい。読み終わったら、クヌギも人間もてんとう虫も落ち葉もみんな兄弟なのだという温かな思いが胸の中に広がっていった。2016/03/01
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
1本のクヌギの木の視点で書かれた工藤直子さんの詩。写真は今森光彦さん。美しく力強く、とても生命力と命の繋がりを感じる本です。2020/08/14
遠い日
7
写真は今森光彦さん。悠久の時を生きる一本のクヌギの木。自身の命を繋ぎながら、生き物たちの営みの場所となる。森を見守り、すっくと立って大地も空も、風も雲も、ひとつながりの世界に身を置く。工藤直子さんの詩は自在にクヌギおやじの心に潜り込み、語る。2019/07/11
marmelo
4
人間が仏性をもって生きながらにして仏であるように、大地としてのまた水源としての森は、木々、草花、動植物、虫たち、無数の微生物、小川を抱いて育てて、それらの生命が尽きても再びそれを蘇らせ続ける、静かで偉大な宇宙。2017/12/30
sira
3
「なんとなく・青空」で工藤さんを知って、他にも読みたくなったので。「おしゃべり」とか「おーい だれかいないかい?」辺りが特に好きだけど、心を射抜かれちゃったのは実は詩じゃなくて、最後の方にある「登場いきもの紹介」なんだよね。何度見ても(アー良いなぁ、コレ)ってしみじみ思っちゃいます。2010/12/30