徳間文庫<br> 逢魔への誘い―問題小説傑作選〈6〉時代情恋篇

徳間文庫
逢魔への誘い―問題小説傑作選〈6〉時代情恋篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 422p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784198912802
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

男と女が出逢うとき、心の糸が絡み合う。人情味溢れる筆致で描かれたさまざまな男女のかたち。情に溺れる男、恋に身を焼く女。浮世の小路ですれ違う人の心。名手・鬼才の時代競艶。全十篇収録。問題小説創刊30周年記念、文庫オリジナル。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山内正

4
軒下の風鈴は揺れもしない暑さ 十六の娘が吊るして帰った あのーと女の声が 雨が降ったらどうするの? 別れた女房がきた 生まれた時から身体が弱く十八迄 世間を知らず奇跡があやのに起こり お世話になった人って何処にお住まい?吉原って?どこ 時々来てもいいでしょ 数日してあやのが茶屋にと知らせ お留守だったのでご免なさい 何か悪い事したのか 暗くなって外に出ましたから 怖かったか送ろう家まで 借金だ薬代で家は潰れても亭主で居てやってくれと父親が 商家を脅した金は打っちまっておけ 後からお前が拾えその金2021/12/09

山内正

4
勘右衛門の門屋敷が見えて来た あの屋敷に居るんだわ逃げた二人はとおるいが おゆうが失踪したと国元からの知らせが 国で待ってる筈の妻が失踪 理由などわかる筈がない 中間と妻が結びつくのか この春に様子がおかしいと女房おるいが淡々と聞く目が怒ってる 馴染みの男に酒を飲ませ乳を吸わせて藤助の帰りを待ち見せ付けた へへっと笑い好きにするさと 何故に藤助如きと妻が? 二人を前に何故だと 女同士で睨み合い刃物を腰溜めに おゆうに突っ掛る 女二人して相打ちして倒れた これから先果してどうしたものか 2021/10/17

山内正

3
三吉は佐久造の手の動きを食い入る様に見る 竈造りに馴染んだ 今も六年前も井戸端で洗い物してたおはると持つ事になる 壁土の間に割れ瓦を埋めて行く ご挨拶も出来ずにと店の女房おすまが現れた 六年前佐久造は見知らぬ女と一夜を過ごした 人違いか 茶屋で抱き又会っても知らぬ人と 竈が出来たと店に話す そんな金できる訳がないと梅次郎 おすまがに断る 店に話しても良いんだぜと脅す 身上潰れ掛かってるあんたの話 まともに受けやしないよ 真っ当にすれば親戚は助けてくれるさ おすまの目に涙が2022/01/26

山内正

3
冗談だろうそんな話お長さんがなんで 伊三次は分からない お前でなきゃいけねぇと頭は言う 由蔵兄貴じゃねぇのか 店の襖越しに男とお長の声が聞こえる あの伊三次が断る訳がないさと 男に言う 女の傲慢さが気にいらねぇ ちょっと出てめぇりやすと そのまま江戸を離れた ちょいと弥七五十両で殺し頼まれておくれ 一年身を隠してと諏訪で世話になり 小田原へと旅の途中峠で声を掛けられた 探したぜと弥七が脇差を抜く 咄嗟に脇差を胸に投げ倒した 五年し峠で二人のヤクザが斬りあい 由蔵がお長に裏切られたと 頭は死んだと 2021/05/24

山内正

3
竈を作る佐久蔵の手元を食入る様に 他事を考え昔の様には行かないと 親方の何の取柄も無い娘を貰い二人の子が出来た 立派に拵えて下さいなと背を向けた おすまの姿に六年前祭で知り合った娘だと 好きでも無い男と祝言挙げると言う 一度切の仲に じゃあさよならと別れた あんたみたいな男と吐き捨てるようにおすまが言うのを聞こえた 女房が隠れてした借金を払ったと その夜女房は寝屋で足を絡ました 今日で最後の日おすまを殴る亭主を 停め助けそれじゃと言葉を掛けた あのっと涙を溜めた顔で何か言おうとしている あの時の!2021/01/14

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