徳間文庫<br> 滅びの笛

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徳間文庫
滅びの笛

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  • サイズ 文庫判/ページ数 476p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784198911041
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

南アルプスで男女の死体が発見されたが、遺体は死後十日間で白骨化していた。同じ頃、環境庁鳥獣保護課の沖田のもとに中部山岳一帯における鳥獣の異常繁殖を告げる調査報告が相次いだ。沖田は理学博士・右川を訪ね、百二十年に一度というクマザサの結実が、それを餌とする鼠の大量繁殖をもたらしているとの指摘を受ける。関係官庁は対策要請にも耳を貸さず、ついに大惨事が発生する。壮大な長篇サスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

51
いや、面白かった。日本アルプスでの白骨死体発見。さらには鳥獣の東への移動。しかしそれは始まりにすぎなかった…。パニック小説だけど人間の手に負えない数で迫ってくるというのは、ゾンビに通じるものがあって人知を超えたホラーとしても面白く読める。さらには上が手をこまねいているうちに現場が奮闘、それでも被害は増すばかりというのもジョーズみたいな王道を感じさせる。ホラー小説パニック小説好きには描写も含めて無条件でお勧めできる一冊です。あと地方在住の身としては獣害の被害が身近なので、狩猟における著者のスタンスには反対。2021/06/24

浅木原

13
傑作! 予兆はあるけど確証がないので役所が動かない序盤から、雪だるま式に被害が膨れあがって阿鼻叫喚の地獄絵図と化す後半まで、パニックものの王道を突き進む滅法無類の面白さ。膨大な鼠が発生したら何が起きるかの緻密なシミュレートは説得力抜群で、結局作中で壊滅するのは山梨だけなんだけど、何しろ敵が一匹一匹は小さな鼠だけに、作中で実際に起きる被害以上のスケール感と絶望感がある。ラストがあっけないとかの弱点を蹴っ飛ばして余りあるこの大迫力を見よ。面白いとは聞いてたけど予想以上だったので西村寿行の動物ものは集めます。2019/03/25

kthk arm

2
2023年42冊目。 この世で一番怖いものは鼠です。 テレビとかにちょっと映っただけで、恐怖で縮み上がります。 にもかかわらず、怖いもの見たさで読んじゃったよ。 何百年に一度の笹の開花によって、大量発生した2億の鼠が山梨を壊滅させる、なんとも恐ろしいパニック小説。怖すぎ どうすんだよ、夢に出てきたらと思ったら、寝るのも怖くなっちゃった。2023/04/30

ドント

2
ギャーッ! 面白かった。山中で発見された、死後わずか十日なのに白骨化した死体からはじまる、日本エンタメ界に類を見ない獣害パニック作品。いやもはや怪獣モノとすら書きたくなる逸品。硬めの文体に慣れてしまえばあとは一気呵成、リアリティと怒濤の勢いをまとったその硬さがゴリゴリと読者を浸食、無駄のなさテンポのよさが加わり読む手が止まらない。スリルと迫力が滞りなく押し寄せまくる。最高。ラストがアッサリな点や、サービスとばかりに(暴力的な)エロが散見されるのは欠点だが瑕瑾だろう。これぞ娯楽小説。この強さ、読むべし。2018/01/19

まさひーる

1
☆1 大量発生したネズミが人を襲うというアイデアはいいが、下品な描写や先の読める単調な展開が多く、しかも無駄に長い。B級を通り越してC級の2時間ドラマを見ているよう。2020/01/26

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