内容説明
「ゑびすだァ、ゑびすじゃねぇか」やつがれは、同町内の古株刑事・広田勘蔵を誘って、ケイヅ釣に行った。釣り上げたのが、正真正銘のゑびすの土佐衛門だった。水死体は白い狩衣をまとい、大きな黒鯛を抱えこんで、七福神のゑびすそのものだった。水死体の身元が割れた。兄が見つかったのだ。兄は色黒で大黒天とそっくりの恰好の闇米屋だ…(「ゑびす殺し」)。他、著者の博引旁証の奇想世界作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tsumugi
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なんて本なの。最初の二つは悪ふざけが過ぎてにやにやが止まらなかった。巫山戯散らすとみせて最後はちゃんと締めてくれるのもいい。楽しかったり切なかったり気持ち悪かったり、とりどりの話が読めて面白かった。どの話も何かのオマージュになっているというのも楽しい。2017/03/29
冬至楼均
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七福神と帝銀事件を結びつけて小説を構築出来るのはまさに博覧強記の作者ならでは。2011/01/08
ベック
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この本を開いたとたんに、脳みそをとろけさせる程の強烈な匂いを感じた。異常な状況のなか、それぞれの物語はみなフリークスでありながら、きちんと正装してパーティの用意をしている。まるで夢の中の出来事のようなこれらの物語たちが、ゆがんだ魔力を発しているのは確かである。腐臭にも似た禍々しさの中に漂う幻想性。忌み嫌うべきものなのだが、惹きつけられるのも確かだ。
ちくん
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あらまたワールド短編集2020/02/03
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