出版社内容情報
最悪の緊張状態から急速に宥和が漂う朝鮮半島。激変さなかの北朝鮮の日常を写真家は堂々切り取った。隣人・北朝鮮を知る必読書。北朝鮮の都市部や地方で普通に暮らす人々を撮った前作から5年。核実験、金正男暗殺と史上最悪の緊張から一転、北朝鮮と韓国は4月末に南北首脳会談、その先には米朝会談と宥和ムードが高まる大変化の時代に、写真家は再び訪朝を繰り返した。眼前には急増した交通量、富裕層の台頭など経済制裁の効力を疑う景色。男女は堂々と逢引し、同性同士も手を繋ぐなど一般市民にも穏やかな空気があった。報道では見えない日常からあの国を考える、必読の一冊。
初沢亜利[ハツザワアリ]
著・文・その他
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
17
★★ 北朝鮮の写真集。色がくすんで古い感じがする。2018/08/29
itokake
13
北朝鮮に許可をもらって撮影した写真集、第2弾。2016年~2018年の北朝鮮。金正恩政権が安定したことで、人々が豊かになった。スーパーマーケットの棚に商品ふんだんにある。だが、まだまだ貧しさはあちらこちらからにじみ出る。畑の収穫物を盗まれないように、収穫期には泊まり込みをする人がいる。地方に手作りのような橋が川に掛けられていた。この橋の素朴さ。日本にはもはやこのような橋は存在しないだろうし、まるで民話の世界のように感じてしまった。よど号生存者たちのポートレートがあり、生活が垣間見れた。2022/06/21
チェアー
10
どれだけ隣人のことを分かっているのか。国の話はいろいろ聞くし、イメージはよくない。だが、そこで暮らす人々についてはどれほど知っているのだろう。 当たり前だけど、だれもが暮らし、喜怒哀楽があり、愛したり、破れたりもある。そんな当たり前のことすら、想像しないと分からないようにされてしまっているのが現実だ。 実際に見ること。実際に話すこと。ここからしかいろんなことは始まらない。隣人についても、そうだ。2020/09/05
がんぞ
7
暴力の非対称が、気になる。『我が国では最高指導者を嘲笑することには厳罰が与えられます』スマホのファイルに正恩のソックリさんの写真があったことで拘束されそうになりスマホは没収された。朝鮮総連は皇室に敬意を払うか/「前作『隣人。』には明確な意図があった。…滞っている拉致問題を動かすためにも対話が必要だと考えた…違和感よりも共感を、という視点…真実を写したなどと言うつもりは毛頭ない」/建国100年を迎える頃…初老期に入った正恩」「この世の中に我々が100%正しく、100%彼らが間違っているという関係性はない」?2020/12/09
チョビ
5
まず女性でなくて男性!そこにびっくり。閑話休題。北朝鮮に何度も入っていて、沖縄問題の写真も撮っている方ということ。そもそも案内人のいるところで撮っているということは、必ずしも真実を撮っているわけではないと思ってしまう。また色々経歴を見ていると「とりあえずこちら側」と認識されても止むを得ないからこその写真集にも見える。…都会の裕福な方々の撮影は明らかにデモと捉えられてもおかしくなかろう、とは考えないところに、社会派な人々と私という小市民の溝は深まるなあ、と思う次第。2018/07/07