隠蔽指令

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198625795
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「僕は君に信頼を置いているからね。うまくやってくれ」頭取の言葉に、行員天野の体は熱くなった。かつてのトップが愛人絡みで行った7億円もの不正融資が、いまメガバンクを脅かしつつあった。一時は系列ノンバンクに飛ばしてしのいだ問題が、貸金業法改正の動きとともに再浮上してきたのだ。事態打開のため奔走する天野。闇社会の介入、そして起こる惨劇。家庭さえ崩壊させながら悪戦苦闘した果ての報いとは?仕え続けてきた者たちに対し、天野は自己回復の闘いに打って出た。

著者等紹介

江上剛[エガミゴウ]
1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、第一勧業(現みずほ)銀行入行。97年の第一勧銀総会屋事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力。その後のコンプライアンス体制に大きな役割を果たし、事件を材にした映画「金融腐蝕列島呪縛」(高杉良原作、役所広司主演)のモデルにもなった。2002年、築地支店長を務めるかたわら『非情銀行』で作家デビュー。03年に退行後は旺盛な執筆力で、『失格社員』『大罪』『腐蝕の王国』『円満退社』などヒット作を生み続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

33
10年以上前に書かれた、よくある銀行のスキャンダルもみ消しがらみの銀行小説です。コンプラにうるさい現在ではとても考えられないストーリー展開です。三菱銀行出身の池井戸潤と第一勧業銀行出身の江上剛。ともに元銀行マンの作家さんですが、前者が勧善懲悪の時代劇的な比較的明るめ小説を志向するのに対し、後者は高杉良の系譜的な不祥事がらみの暗め小説を志向してます。現実は両者の中間点くらいなんでしょうかね笑。2018/05/31

ちゃさち

28
まとめサイトで面白いと書いてあり読みました。政治秘書と銀行頭取秘書。銀行の元頭取が遺して言った負の遺産、そこから始まる物語。お金が欲しい政治秘書、頭取のために家族が壊れても構わない銀行秘書。銀行の役員たちが自分を守るためにどんどん崩れていく。新党を作るためにはこんなに裏金がいるのかと思い、今の時代と被っていてとてもお勉強になりました。2017/09/20

BluePlanet

9
★4.5 2008年8月発行。うーん、なかなか読み応えのある本でしたね。小説ではあるものの、まるで実話をもとに書かれた内容ですね。楠瀬頭取と天野頭取秘書、政治家羽根田代議士と鬼頭代議士秘書、そこに大林暴力団総長、さらには銀座の花木蓮のママ幸子。それぞれのおもわくか複雑に絡み合い、結構ハラハラする展開ですね。映画にすれば、結構面白い映画になりそうですね。さすがDKBで広報部次長と活躍された著者だからこその内容ですね。UFJと東京三菱銀行の間で、あり得そうな話しですね。著者の他の小説も読んでみたくなりました。2022/01/22

Mayu

9
終わり方が微妙だった。 かなり飛ばし読みをしてしまった。設定自体悪くなかったと思うのにどうしてだろう…。2018/09/09

くりのすけ

5
メガバンクの元頭取の不正融資を隠蔽工作するために、主人公・天野が動き回るのだが、その転落振りは、実世界だったらたまらないものである。 登場人物が、それぞれ自分の出世や保身ばかりを考えてる様子にリアリティが感じられる。しかし、実の金融界でも、責任をここまで他人に押し付けられているのだとしたら、誰も信用できない怖さがある。2012/05/20

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