Tokuma novels
こわれもの

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 246p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784198505608
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

売れっ子マンガ家、陣内龍二の婚約者・里美が交通事故で死んだ。ショックのあまり、陣内は、自作のヒロインを作中で殺してしまう。たちまちファンからの抗議が殺到。その中に里美の死を予知した手紙があった。日付は事故の数日前。陣内が手紙の差出し人を訪ねると、神崎美佐という48歳の落着いた女性だった。部屋には作中のキャラクターが飾られ、熱心なファンであることを示している。何故、神崎は里美の死を予知できたのか?そして、予知された死は防げないのか?23歳の俊英が挑む迷宮的ミステリー。

著者等紹介

浦賀和宏[ウラガカズヒロ]
1998年、十九歳の時、『記憶の果て』で第5回メフィスト賞を受賞。ミステリーの形式をとりつつも、ジャンルへの挑戦ともいえる物語世界を紡ぎ出した。以降、旺盛な筆力で独自の世界を構築し、熱烈な読者を獲得している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さな

8
図書館より。この真相は予想してなかった。事件の過程がダラダラ続いて、読むのが億劫なったけど、いい感じに裏切ってくれた。予知の力によって狂っていく漫画家と、ひたすら作品への情熱を語るオタクの攻防が続いて、最後にどん底へ落とされる真相に驚かされた。2017/04/25

ふじさん

7
婚約者を亡くしたショックから自作のヒロインを殺してしまった人気漫画家が、世間のバッシングに遭う中、予知能力と死の運命を巡る騒動に巻き込まれていくミステリ。長らく読み漏らしていた作品だったが、初期浦賀を形成するルサンチマンの暴走と、聖母的な女性像への執着を存分に味わえる内容で充足感があった。謎解きに関してもしっかり楽しみつつ、それより表題を回収し、意外な展開へと落とす結末に吃驚。拗らせに拗らせた物語がまさかこれ程ヒロイックな幕引きを見せるとは思わなかった。炎上という切り口で現代にも通ずる、かも知れない佳品。2019/06/11

らびぞう

7
人気漫画家の陣内龍二は、幸せの絶頂だった。仕事は順調、新居も構え、そこには、愛する女性「里美」もいる。そんな彼女が、交通事故で呆気なく亡くなる。陣内の絶望感。そうして、その絶望感は、彼の描くと漫画のヒロイン「ハルシオン」を葬るという破壊を行う。もちろん、ファンからの大抗議、ほとんどのスタッフも、彼から去って行く。そんな時に、郵便物の中から、里美の死を予言した手紙を発見する。その手紙の主「神崎美佐」と会うことから、物語は、一気にミステリーとなる。本当に予知は出来るのか。2018/10/30

あおい

7
初浦賀作品。婚約者を亡くした人気漫画家、死を予知する女、逆恨みから漫画家に殺意を抱く男‥はたして予知された未来を変えられるのか?私はこの終わり方嫌いじゃないです。2013/06/28

6
人気漫画家の婚約者が事故死。失意の中、漫画家の陣内はその事故を予言したファンレターを見つける。一番最初に怪しいと思ったオチが二転三転して結局当たっていた。やっぱりと言う思いと、まさかこいつがそうやったとは、とは言う思いが混ざり合った。しかし、そこまでおもしろいSF漫画なら、是非読んでみたい。2013/10/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/547747
  • ご注意事項