徳間文庫<br> 魔笛が聴こえる

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徳間文庫
魔笛が聴こえる

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784195880999
  • NDC分類 913.6

内容説明

ウラン鉱の人形峠に近い御霊町では、先住民と新興住民の間で町を二分する諍いが続いていた。ある日、先住の反町長派急先鋒・野川の娘が運河で溺死した。防護柵の設置を再三、町長に陳情していた矢先だった。続いて今度は町長の一人息子が絞殺されるに及んで、両派の不信と猜疑が一挙に爆発、血で血を洗う惨劇が始まった…。滅びを呼ぶ人間の業と、国家権力の壮大な謀略を活写する傑作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

63
北部と南部、それぞれに因縁を抱え長年対立が続く町。一人の少女の死をきっかけに次々に事件が連鎖的に発生し、ついに町はその発火点を越える。こういう対立がエスカレートするタイプの話は大好きなので、夢中になり一気読み。町に絡む事件が次々に起こりしかもそれが悪い方に悪い方に転がる様は、一般人の視点から見た『血の収穫』や『山猫の夏』のよう。背後で何かが起きているのにそれがはっきりせず、事態だけが悪化していく様子をひたすら描写するのも上手いなあ。真相こそ流石に無理がある様に感じたが、そこに至るまでは名作だと感じた。2023/10/12

つちのこ

1
1982年頃読了

すす

0
最近、平和的な本を読んでいて、何か毒が欲しくなったのでジュコー作品を手にとった。 一つの町の騒動をドミノ式に炎上させてゆく先生の情け無用の筆に満足した。 この人がメインになるのかな?と思うとあっさり途中退場させてゆく。女達はいつもの様に男たちに蹂躙される。文章表現はあっさり目。 誰が主人公とか無い。人間の燃え上がるこじれた感情を淡々と淡々と、あらよっと描いてゆく。読者に感情移入もさせず淡々と。正義など無い。 それが気持ちいい。時にはやはり毒は気持ちいい。さすが先生。2024/01/14

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