出版社内容情報
"普通の人生""普通の夫婦の愛"をこれほど鮮かに、面白く描く作家はいないといわれる著者の、ユーモアと知的な味が光る傑作小説
内容説明
結婚して28年目の夫婦が友人の夫の葬式に出席するため車が出かけた一日の話。それだけのことが、どうしてこれほどおかしく面白いのか。それは読まなくてはわからない。ピュリツァー賞受賞、人生まじめ喜劇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
177
アメリカの普通の人々の ひどく 日常的な 物語である。48歳の主婦 マギーの 心情の揺れが 面白い。 マギーと夫アイラが 語る 昔の思い出は 平凡だが、50年代の香りが感じられ、 いつか見たアメリカ映画のようで 懐かしい。 何気ない一日の出来事だが、味わい深い 作品だった。2018/09/04
NAO
59
世の中には、完璧な女性もいるが、そうでない女性だっている。それでも、彼女たちだって毎日懸命に生きている。おせっかいをして引っ掻きまわしての繰り返し、それでもポジティブな主人公。それでも憎みきれないとするところが、アメリカ的ということだろうか。ところで、この作品で詳細にその心理が描かれているのはマギーだけではない。マギーの夫アイラも、なかなか厳しく複雑な状況で育ち、心の奥底に鬱屈した思いを抱いている。何でもできる可能性があり希望に満ちていた時代にあって、それなりの夢を持っていたのに、主人公夫妻は⇒2022/08/06
りつこ
35
久しぶりの再読。マギーもアイラも好感を持てる人物ではないのに、読んでいて、ああその気持ちわかると共感したり、ぎゅっと抱き締めたくなる瞬間がある。相手に悪くとられる言動も、実は善意から出たものだったり、自分が引きずってきた過去のせいだったりする。喧嘩ばかりしていがみ合ってるように見える夫婦も深いところでお互いを思いあっていたりする。どうでもいいような一日を描いているに、おかしくて悲しくて。笑ったり涙ぐんだりしながら読んだ。楽しかった。2017/10/28
よし
12
「結婚して28年目の夫婦が友人の夫の葬式に出席するため車で出かけた一日の話」一度は、読みかけて途中で止めてしまった程。50近い「オバサン」マギーの言動も好きになれなかった。・・でも、アンタイラーだし、虚心になって読み返してみると、どんどんマギーに、その夫アイラにも共感していった。「いったい、私のどこがいけないというの、とマギーは思った。嫁、赤ん坊、猫、空気を乾かす機械ーこれから一生、失ったものをひとつひとつ惜しみながら、日々を過ごしていくのだろうか。年老いていくということはこういうことなのか。」2016/04/12
橘
3
サザエさんみたいな40代おばさんの波乱万丈な一日。友人の葬式に車で出掛けるだけのはずが、どうしてこんなにドラマチックなのか。でしゃばりでドジでおバカな愛すべき、どこにでもいる彼女を描く力量はさすが!2015/08/14




